システムインテグレーターのSCSK(江東区)は3月13日、VMwareのソフトウェアをベースにAmazon Web Services(AWS)のベアメタルサーバで稼働するハイブリッドクラウドサービス「VMware Cloud on AWS」の取り扱い開始を発表した。同日から提供する。先行して三井不動産レジデンシャル(中央区)のオンプレミス環境からの移行に際する概念実証(PoC)を支援しているという。
三井不動産グループで住宅分譲、賃貸などを手がける三井不動産レジデンシャル(従業員数1844人)は、2020年度内の自社システムのオンプレミス撤廃、クラウド化を目指している。オンプレミス環境からの移行は構成や運用変更などの膨大な工数が想定されると共に、移行期間中のオンプレミスとAWSの二重コストも発生。解決手段として既存のオンプレミス環境で使う仮想化基盤を利用できるVMware Cloud on AWSの検討を開始したという。
オンプレミスからクラウドへのレイヤ2(L2)延伸、サーバ仮想化基盤ソフトウェア「vSphere」のライブマイグレーション機能「vMotion」やレプリケーション機能を活用したクラウド移行、既存AWS環境との連携やAWSサービスの容易な利用などから、米国西部(オレゴン)でPoCを実施。オンプレミス環境からの移行先として十分利用できるとの結論に至ったという。
現在は、より詳細な確認も含めてアジアパシフィック(東京)でのPoCを実施。2019年内に移行を開始するとしている。
VMware Cloud on AWSは、AWSのデータセンターにあるベアメタルサーバにVMwareの仮想環境を稼働させる。vSphereの他にネットワーク仮想化の「NSX」やストレージ仮想化の「VSAN」、管理基盤ソフトウェア群「vRealize」などが対応。ユーザー企業はオンプレミスの「vCenter」プラグインから直接管理できる。