「2019年の主要クラウド動向(1)--AWS、マイクロソフト、グーグルなど」に続き、「2019年の主要クラウド動向(2)--ハイブリッド/マルチクラウド戦略を加速するIBMなど」をお届けする。
マルチクラウド/ハイブリッドクラウドプロバイダー
大手のクラウドプロバイダーが差別化要因として自社スタックにAIを組み入れている一方、複数のクラウドプロバイダーの管理という市場が生み出されつつある。この市場におけるクラウド企業は、従来はデータセンターとパブリックサービスプロバイダーの間を橋渡しするハイブリッドアーキテクチャに注力していたが、現在ではインフラ管理に対応しようとしている。
Kentikの調査では、最も一般的なクラウドの組み合わせはAWSとAzureだが、顧客によってはGCPも利用しているとされている。同調査によると、回答者の97%が自社でAWSを利用していると答えている一方、35%はAzureも積極的に利用していると答えている。また、24%はAWSとGCPの双方を利用していると回答している。
提供:Kentik
IBM
- 年間売上高ランレート:122億ドル
IBMのクラウド戦略と、AIに対するアプローチには多くの共通点がある。同社の計画は、顧客が複数のシステムやサービス、プロバイダーを管理できるようにしたうえで、管理コンソールになるというものだ。同社は顧客の運用を支援するだけでなく、クラウド環境の一部になりたいと考えているのだ。同社は2018年に「IBM AI OpenScale」を発表している。これは、大手クラウドプロバイダーによって提供されるであろう複数のAIツールの管理を目的としている。また同社は、マルチクラウドツールもローンチしている。IBMは、クラウドの採用やコンピューティングサービス戦略における永世中立国のような立場だと言える。