SASは今後3年間、人工知能(AI)に10億ドル(約1100億円)を投じ、アナリティクスプラットフォームの開発、データサイエンティストの教育、業界別のユースケースへの対応などに注力していくと発表した。
この投資は、SASがAIに関してより強固な地位を確立するための取り組みの一環となる。同社はアナリティクスおよびデータサイエンス分野のパイオニアだが、事業や製品を刷新しようと取り組んできた。
SASのAIへの投資は、AIの研究開発、認定資格やデータサイエンスアカデミーといった教育に関する取り組み、プロジェクトの収益性を向上するためのサービスにフォーカスしたものとなる。
SASは、「SAS Platform」のほか、データ管理、顧客分析、詐欺やセキュリティ、リスク管理向けのソリューションにAIを組み込んでいる。また、金融サービスや製造業、医療分野をはじめとする業界向けのアプリケーションでもAIを活用している。
米ZDNetは2018年12月に、SASの最高執行責任者(COO)兼最高技術責任者(CTO)のOliver Schabenberger氏に、同社の戦略について話を聞いた。その要点とAIが果たす役割は以下の通りだ。
- SASは近年、同社のプラットフォームをアナリティクスツールと連携させたり、業界専用ソリューションを強化したりするなど、SaaSにも軸足を向けてきた。またSASは、「当社のサービスによって、アナリティクスを未開拓分野で活用できるようにする」ことに重点を置くとともに、大企業のみならず、広範な企業をターゲットにし、同社のサービスの利用範囲を拡大することに取り組んでいる。
- 顧客が提示する問題を、SASのアナリティクス、機械学習、データサイエンスの専門知識を利用して解決する、「Results as a Service」モデルの導入を進めている。
- Schabenberger氏によると、顧客の多くはオンプレミスで業務を行っているが、さまざまなペースでクラウドに移行中だ。マイグレーションが続く中、SASはデータの利用と、データの準備、プログラミングを行う部門などの橋渡しをすることに取り組んでいる。
- SASのソリューションは、「Google Cloud Platform」「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」のいずれにも組み込める。同社がもたらす価値は、機械学習モデルとアルゴリズムの開発に関する専門知識だ。Schabenberger氏は、「アルゴリズムを組み込んで実行させ、ユーザーのモデルやソリューションでデータ処理を可能にするのが当社の強み」だと語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。