AIブランドでグローバルに向けて発信力を強化
一方、AIを活用した生活者購買を予測するサービスでは、NECのAI技術「顧客プロフィール推定技術」でマクロミルの生活者データ(購買データ)の不足項目を補完し、約10万人規模まで拡充したデータを販売する。新商品や購買頻度の低い商品など購買量が少ない商材の分析や、データマネジメントプラットフォーム(DMP)で自社の保有する複数データと掛け合わせ分析を行うシーンで、購買パネル数が少なく充分に分析できない課題を解決する。購買を起点とした消費者理解や広告のプランニング、DMPの構築ニーズなどに応える構えだ。
両社は今後、これらのソリューションを活用し、店舗における生活者の購買行動に紐付くインサイトを調査するサービスの共同開発も行っていく計画。2019年度中の商品化に向けて実証実験などを行っていくとしている。
さて、このサービスで筆者が感じたのは、NEC the WISEの活用が広がってきたことだ。NEC the WISEは、NECが2016年7月に発表したAI技術群のブランド名称だ。The WISEとは「賢者たち」という意味で、このブランド名には「ますます複雑化、高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していく」という想いが込められている。
ただ、AI技術については米国のIT大手の取り組みがグローバルで話題になるケースが多く、NECをはじめとした日本のIT大手も30年以上前から取り組んでいるものの、グローバルに向けて発信力が乏しい印象は拭えない。
それだけにこうしたブランドを前面に押し出し、米国のIT大手に負けないように、自社のAI技術をもっと世界に発信していってもらいたいものである。