「VMware Cloud on AWS」に続いて「VMware Cloud on Azure」が出てくるのか? 米VMwareの日本法人であるヴイエムウェアの社長に聞いてみた。
1兆円企業になったVMwareのハイブリッドクラウド戦略
写真1:会見に臨むヴイエムウェアのJon Robertson社長
ヴイエムウェアが3月19日、事業戦略について記者説明会を開いた。その内容もさることながら、筆者はこの機会にぜひ聞いてみたいことがあった。それは、米国でVMwareとMicrosoftがハイブリッドクラウド向けサービスに関して新たな提携を模索しているとの一部報道の事実関係についてだ。
もちろん、模索の事実関係について明確な説明を日本で聞けるとは思っていないが、推測するところ、「VMware Cloud on AWS」に続いて「VMware Cloud on Azure」が出てくるのか、という話だろう。ならば、ニュアンスだけでも確かめてみたいと、会見に出席した。
会見で説明に立ったヴイエムウェア 社長のJon Robertson氏が自ら上記の話に触れることはなかったが、日本でも2018年11月から提供を開始したVMware Cloud on AWSについて興味深い話をしていたので紹介しておこう。(写真1)
その前にRobertson氏は、VMwareが2月末に発表した2019年度(2018年2月〜2019年1月)の業績と事業状況に触れた。それによると、売上高は89億7000万ドル、社員数2万5000人、顧客数50万社以上、パートナー数7万5000社。売上高は日本円に換算するとおよそ1兆円になる。日本でしか気に留められないが、VMwareも1兆円企業になったのである。
そして、同氏が事業戦略として2019年の注力分野に挙げたのは、図1に示した5つである。「これからはプライベートクラウドという言葉を使わない」と宣言して説明したハイブリッドクラウド分野の目玉が、VMware Cloud on AWSである。
図1:2019年の注力分野(出典:ヴイエムウェアの資料)
同氏はVMware Cloud on AWSについて、「日本では提供を始めてまだ4カ月ほどだが、すでに30社を超えるお客さまに利用され、PoC(実証実験)では大規模な事例も見られるようになってきた。AWSのサービスは既に多くの企業が利用しているが、ミッションクリティカルなシステムにおいてAWSが本格的に利用されるのはこれからだと見ている。VMware Cloud on AWSがそのきっかけとなり、ハイブリッドクラウド市場がさらに大きく広がっていくと確信している」と自信を見せた。