帝国通信工業、オラクルDBをオンプレからクラウドへ移行

大場みのり (編集部)

2019-03-22 10:22

 帝国通信工業は、自社の生産管理システムを構成するデータベース基盤を「Oracle Database Cloud」に移行し、稼働を開始した。日本オラクルが3月20日に発表した。

 同社は抵抗器事業を展開する電子部品メーカーで、創業時から自社の情報システム部門がITシステムの構築、管理を行ってきた。その過程で、生産管理システムを構成するデータベース(DB)として「Oracle Database」を導入していたという。

 だが、生産管理システムの拡張に伴って構成するDBも拡張し、結果的にDBサーバが9台の仮想サーバで分散稼働していた。分散したDBの運用管理は、サーバリソースのコストだけでなく管理やパッチの適用といったメンテナンスも要するため、情報システム部門の負担が増大していたという。そこで同社は、DBの更新にあたり、運用コストの削減と運用管理負担の軽減に向けて、Oracle Database Cloudを採用したと説明する。

 今回の更新では、Oracle Database Cloudの機能である「Oracle Multitenant」を活用し、9台の仮想サーバ上に散在していたDBを1台に集約。情報システム部門のエンジニアは、オラクルが提供した無償のハンズオントレーニングやトライアル環境を利用し、1カ月間で検証を完了、その後2週間でクラウドの統合データベースを構築した。そして、2019年1月に稼働を開始したという。

 導入効果として帝国通信工業は、パッチの適用やアップデートといった管理者の負担が約40%削減されたことで、彼らが新規事業に参加することが可能になったと話す。またハードウェアやサーバのコスト削減に加え、自社導入により移行、構築コストが削減され、運用管理工数の削減により全体のコストが約35%削減されたとしている。加えて、Oracle Database Cloudは、自動的に三重化のバックアップを適用するため、運用管理工数なしで確実にデータを保護できると述べる。

 帝国通信工業は、将来的に「Oracle Autonomous Database」の利用も検討しており、さらなる効率的なデータベース運用と管理を目指すと語っている。

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