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紙と人海戦術の業務は見直す時期--経理財務自動化のBlackLine、日本で展開

阿久津良和

2019-03-26 07:00

 経理財務業務を自動化するクラウドサービスを提供する米BlackLineが日本市場に参入している。同社創業者で最高経営責任者(CEO)であるTherese Tucker(テリース・タッカー)氏は3月25日に開いた事業戦略説明会で「日本でのファイナンスオートメーション市場の確立と市場成長を牽引するため、2019年は特に日本市場に注力する」と説明、導入企業数として2019年は10社、2020年は50社、2021年は100社の目標を掲げた。

 2001年に米国で創業したBlackLineは、企業の決算業務や会社間勘定など主な経理財務プロセスを自動化することで、経理財務業務を最適化するクラウドサービスを展開している。導入企業はThe Coca-Cola Companyやスポーツウェアなどを手掛けるUnder Armourなど世界150カ国、2600社を超え、エンドユーザー数は22万2000という。2018年10月にはロンドン、シンガポール、シドニーに続く日本法人を設立し、今回の事業戦略説明会開催に至った。

 日本CFO協会の調査によれば、デジタルテクノロジが及ぼすインパクトとしてスピード向上を掲げたのは93%、会計数値の品質や履歴管理の向上は89%、業務遂行体制の変化は93%、業務工数や人員の大幅な削減を掲げるのは89%に及ぶ(複数回答)。

BlackLine CEO Therese Tucker氏
BlackLine CEO Therese Tucker氏
日本CFO協会 専務理事 事務局長 谷口宏氏
日本CFO協会 専務理事 事務局長 谷口宏氏
ブラックライン 代表取締役社長 古濱淑子氏
ブラックライン 代表取締役社長 古濱淑子氏

 同協会の専務理事 事務局長 谷口宏氏はロボティックプロセスオートメーション(RPA)に注目が集まる現状について、「メールとExcelを自動化しても(業務の)可視化は難しい。新しいデータ管理で新しい業務プロセスに移行する時期を迎えている」と日本企業へ経理財務業務の見直しを提言した。

 日本の大企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に能動的とされるが、日本法人ブラックライン 代表取締役社長 古濱淑子氏は「会計や人事、経営管理はアナログ処理が多い」と間接業務におけるDX優先度の低さを指摘する。各部門を一斉にデジタル化しなければ、業務プロセスを加速させることは難しい。月次であれば残高照合や証跡作成、四半期や期末なら監査対応といった処理は紙と人海戦術で対応する現状を次のように説明する。

 「決算の現場では『元号改訂と長いGW(ゴールデンウィーク)で決算が締まるか』という声は少なくない。今朝もとある顧客と話していたところ(経理担当者は)GWの出社を決断していた」(古濱氏)と各所に課題が点在しているという。

 現場には従来の手法を継続したい、Excel業務に満足しているという一種の抵抗感も存在する。古濱氏は「弊社ソリューションで業務変革を起こし、(各所に点在する課題を)間接的に解決できる」と同社のサービスをアピールした。

 ブラックラインの特徴として挙げたのが、負荷の平準化や処理の高速化で多様な恩恵をもたらす「コンティニュアスアカウンティング(継続的会計処理)」という概念である。

 一般的な会計業務や決算処理では、日次処理から残高照合、仕訳入力……と「前の業務が終わらないと次の業務が始まらない『直列処理』だが、仕訳入力や残高照合など締めを待たず継続的に業務を回し続ける『継続処理』なら会計業務や決算処理を早期化できる」(古濱氏)という。NasdaqはBlackLine活用以前の年間レビュー4回を2回に短縮し、eBayも決算日数を10日から3日に短縮している。

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