第1回:リアルタイムなやり取りで時間を削減--今こそ理解しておきたいDropboxのキホン - (page 2)

岡崎隆之 (Dropbox Japan)

2019-04-01 06:45

個人の働き方から、チームの働き方改革へ

 Dropboxは個人向けのクラウドストレージとしてスタートしました。前述のような利便性から、写真家、イラストレーター、映画やCM製作、音楽製作をはじめ、CADを利用した設計、プロジェクトマネージャー、教師やインストラクター、研究者など様々なプロフェッショナルにご利用いただいています。

 このような個人レベルでご利用いただくケースに加え、今日では企業、教育機関、医療機関、政府機関、NPOなど様々な組織で利用するためのコラボレーションプラットフォームとして成長しています。

 Dropboxを使えば、ファイルやフォルダを共有したり、ファイル容量を気にせずリアルタイムにやり取りしたりできます。これにより、遠隔地にある支社や出張先からも時間差なく共同作業を進めることができます。「Dropbox Paper」はリアルタイムに同時編集できるコラボレーションツールで、会議資料の配布や議事録共有、プロジェクト進行、アイデアブレーンストーミングを遠隔地や時差がある環境とでもスムーズに実現することができます。

 企業向けの「Dropbox Business」や「Dropbox Enterprise」には、シングルサインオン(SSO)やのような企業向けのユーザー認証、監査のためにログインやファイル操作といったアクティビティのログ取得、ユーザー管理や権限管理といった機能が付け加えられています。これにより、メディア、建築業、製造業など様々な業種業態でのプロジェクトを支えています。

 たとえば、あるメディア企業では今まで製作中の動画資料をCD、DVDなどの媒体に保存した上でバイク便で共同作業者へ送付していました。これを、Dropboxに置き換えたことでほぼリアルタイムに送受信できるようになり、コストも大幅に削減することができました。CMや広告といった大容量データの細かい修正作業もすべてDropbox上で完結できるようになったといいます。

 また、建設業の利用者では建設現場と本社などの設計部門でリアルタイムに最新の設計データを交換できるようになりました。以前は、メール添付や図面を印刷して最新の図面を送付していましたが、事務所に図面が到着するのが作業開始後になり、結果的に手直しや再設計など手戻りが発生していました。Dropboxで最新版の図面を管理するようになってからは作業手戻りがなくなり、品質向上などのため時間をかけられるようになり品質向上に繋がりました。

 大学などの教育機関では、ゼミにおける共同発表の準備のみならず、「反転授業」など新しい教育の取り組みのために利用されています。

 このような事例を支えているのは、単にクラウド上にファイルを置いておくという機能ではありません。リアルタイムにファイルが送受信できる機能や、コンテンツを中心においた「コラボレーション」を可能にする機能、高度なセキュリティを備える上に使い勝手が良いという、複合的な品質の高さです。次回は2回に分けてDropboxを利用することによってストレージ管理にかける時間をどのように削減できるかご紹介します。

(第2回は4月中旬にて掲載予定)

岡崎 隆之
Dropbox Japan テクニカルアーキテクト
サン・マイクロシステムズ、ACCESS、グリーを経てエンタープライズ分野からコンシューマー分野に渡る様々な分野でのエンジニアリングに従事。開発生産性や、チーム間の共同作業について様々な施策を実施し生産性向上に貢献。2015年からDropboxカスタマーサクセスチームに所属し、お客様の生産性向上に貢献している。

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