McDonald'sは、パーソナライゼーションとレコメンデーションを専門とする企業Dynamic Yieldを買収すると発表した。その目的は、McDonald'sのデジタル変革を加速することだ。
同社はDynamic Yieldの技術を利用して、メニューの表示でそれぞれの客に合わせた体験を提供しようとしている。Dynamic Yieldの技術によって、時間帯や天候、店舗の混み具合、最近人気を集めているメニューなどを元に商品を表示する。また、商品の提案や表示を行うこともできる。
つまりMcDonald'sは、物理的なメニューでAmazonのレコメンデーションエンジンのような機能を実現しようとしているのだ。同社はすでに、セルフレジキオスクにも多額の投資を行っている。
Dynamic Yieldは買収後も独立企業として存続し、McDonald'sは同社のプラットフォームへの投資を継続するという。
今回の買収には、興味深い点がいくつかある。この買収がデジタル変革の観点から何を意味するかを列挙してみよう。
- 企業は、デジタル顧客体験の取り組みが物理的な空間にも拡大していると考えている。
- McDonald'sは、デジタルメニューにパーソナライゼーションを持ち込むことで、既存店の売上高を増やし、顧客満足度を向上させ、分析力を高めることができるかもしれない。
- モバイル技術と小売業界が融合しつつある。McDonald'sはDynamic Yieldの技術をドライブスルーのエリアに導入するだけでなく、モバイルアプリにも組み込む。アプリ、モバイルによる注文と支払い、店舗内キオスク、顧客との物理的なタッチポイントは、今後融合していく可能性が高い。
- 従来型の企業は、テクノロジ企業を直接買収することが合理的だと考えるようになっている。まだ明らかになっていないのは、McDonald'sのDynamic Yield買収が、既存の同社の顧客にどんな影響を与えるかという点だ。Dynamic Yieldの技術は現在の顧客に対するサービスを向上させ、新規顧客を呼び込むと同社は述べている。この点については、TargetのShipt買収がモデルになるかもしれない。
Dynamic Yieldのプラットフォームは、顧客情報管理、パーソナライゼーションとレコメンデーション、顧客の行動に基づくメッセージ送信、A/Bテストとサービスの最適化、トリガーエンジンなどの機能を提供している。同社の顧客には、金融サービス業界、Eコマース業界、メディア業界、旅行業界、ゲーム業界などが含まれる。
G2によるパーソナライゼーションエンジンのランキングが公開されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。