業務システムソリューションやインフラソリューション、マネージドサービスなどを事業とするテクバンは、マーケティングオートメーション(MA)プラットフォーム「SHANON MARKETING PLATFORM(SMP)」の新規導入や導入前のトレーニング、サポートなど一貫したサービスを提供している。
「Microsoft Dynamics 365」などの業務システムやビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Power BI」、「DataSpider Servista」などのデータ連携ツールとシステムをつないで、顧客データを起点とした営業部とマーケティング部がつながるデータ連携ソリューションを提供している。
テクバンのエンタープライズシステム事業部 エンタープライズ営業2部 部長代理 金子侑磨氏は3月12日に開かれたイベント「SHANON BtoB Marketing Conference つながるマーケティング」に登壇。「営業と『つながる』データ連携術!~事例から紹介するMAとCRMのケースパターン~」というテーマで講演した。金子氏は「MAの導入がゴールではない。分断したプロセス、マーケティング活動成果を可視化すべきである」と強調した。
テクバン エンタープライズシステム事業部 エンタープライズ営業2部 部長代理 金子侑磨氏
MA導入後の課題について一例として、営業チームへ商談を渡した後に商談状況が見えず難儀しているケースについて、「(本来はマーケティング活動と営業活動の過程はつながっているものの)PDCAサイクルを回すために改善すべきプロセスの分析ができていない」(金子氏)と指摘する。例えば、マーケティング担当者が見込顧客を育成し、営業担当者へ連絡する場面に分断が発生しているという。
だからこそ営業側も商談データのメンテナンスを怠り、プロセス分析に至らない“ブラックボックス化”が発生してしまうことになる。テクバンも「営業は受注角度の高い商談にしか興味がない生き物」(金子氏)と述べつつ、データメンテナンスを怠る理由を指摘した。
常に顧客に合わせた行動を強いられる営業担当者に商談データをメンテナンスさせる手法として、「営業は効率的な受注活動を行いたい。だからこそ、データをリポート化して、根拠に基づいた効率的な受注活動を行わせる。口うるさく言っても絶対に変わってくれない」(金子氏)と自身が営業である立場から改善方法を提示した。
その分析リポートを実現するには各システム間のデータ連携が欠かせない。単純にMAツールを導入しても独自の顧客情報管理システム(CRM)を利用していると、集計作業に著しい負担が生じてしまう。また、事業部ごとに異なるCRMを採用するケースも珍しくない。
金子氏は「アナログデータ連携・運用の改善に関する多くの問い合わせをいただいている。自動データ連携ツールで課題を解決し、分断したプロセスの統合・運用を支援する」と自社ソリューションをアピールした。
とあるケースでは、前述したように事業部ごとで顧客データCSVやテキストなどデータ形式が異なり、クラウドやオンプレミスが混在する企業があったという。
テクバンはファイル連携やデータ変換を自動化し、クラウド上でデータを一元管理。その後のデータ閲覧はデータベースアダプタを介して行う。MAツールとの連携も同様にアダプタを介することで「分析リポート作成に必要な作業を削減し、データ集計作業やデータ変換作業、運用面の作業ストレスも軽減。社員は営業やマーケティング活動に集中できる」(金子氏)という。
EAI(Enterprise Application Integration)をパブリッククラウドに実装し、データ連携の効率を向上させるサービスも提供している