世界最大規模の自動車メーカーであるVolkswagenは、Amazon Web Services(AWS)のクラウド技術とIoT技術を利用して、同社の工場とサプライチェーンをつなぐ計画を明らかにした。
両社は、Volkswagenの製造工程と流通を管理するインフラ「Volkswagen Industrial Cloud」を構築するための複数年契約を結んだ。このプロジェクトでは、工場の効率と稼働時間、製造の柔軟性、製品品質の向上を目指している。
このシステムは、122カ所ある同社のすべての製造工場からリアルタイムでデータを収集し、組立機械の全体的な効率の管理、部品や車両の追跡を行う。将来的には、このシステムで同社のグローバルなサプライチェーンに属する3万カ所以上の施設や、1500社の仕入れ先やパートナーをつなぐという。
AWSによれば、Volkswagenは今後、AWSのIoTサービスを多数利用して、データの発見、収集、整理を行い、工場の現場で得られたデータに対して高度なアナリティクスを適用することで、製造工程の最適化と業務プロセスの効率化を進める予定だ。Volkswagenはさらに、「Amazon S3」上に企業規模のデータ分析用データレイクを構築し、予測の改善や、生産と廃棄物のギャップを特定することによる業務の合理化を行う。
また同社は、データサイエンティストが短期間で機械学習モデルの構築、トレーニング、展開を行うためのサービス「Amazon SageMaker」を利用して、全工場の設備や機器の運用を最適化することを目指す。遅延が問題になるアプリケーションでは、AWSのサービスなどをオンプレミスで利用するための製品「AWS Outposts」を利用する計画だという。
Volkswagenが最近着手したIoTプロジェクトはこれだけではない。同社は2018年9月にMicrosoftと契約を結び、コネクテッドカー向けクラウドの基盤にAzureを採用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。