ウエスタンデジタル、企業ストレージの国内展開を本格化--NVMeアレイを市場投入

藤本和彦 (編集部)

2019-04-01 07:00

 ストレージ大手のWestern Digitalが企業向けストレージシステムの国内展開を本格化させる。3月28日にはフラッシュストレージ「IntelliFlash」シリーズの提供を始め、パートナー経由で販売する。

 Western DigitalはHDDやSSDのストレージデバイスベンダーとして有名だが、近年はストレージシステムの展開にも力を入れている。2017年にTegile Systemsを買収し、オールフラッシュアレイ製品をポートフォリオに加えたことで、企業向けストレージシステムとしての競争体制が整ったと、エンタープライズビジネス担当 シニアディレクターの河野通明氏は話す。

2025年までに企業データの75%がデータセンターの外で生成され、処理されると予想されている
2025年までに企業データの75%がデータセンターの外で生成され、処理されると予想されている

 IntelliFlashは、エントリ向けのTシリーズ、高密度型のHDシリーズ、NVMe対応のNシリーズで構成される。国内展開に際しては、特にNシリーズに力を入れており、NVMeならではの高速性や効率性、200マイクロ秒の低遅延性などが特徴という。

 この他にも、データセンター向けシステムとして、ソフトウェア定義ストレージ(SDS)対応のプラットフォーム「Ultrastar」、Amazon S3互換のオブジェクトストレージ「ActiveScale」、NVMe対応のコンポーザブルインフラ「OpenFlex」といった製品も展開している。

 OpenFlexは、ソフトウェアコンポーサブルインフラストラクチャ(SCI)と位置付けている。NVMe-over-Fabric技術を活用し、CPUの負荷をかけないでデータを構想にやりとりできる点が特徴だと、エンタープライズビジネス担当 技術担当ディレクターの首藤憲治氏は語る。

ウエスタンデジタルの製品ポートフォリオ
ウエスタンデジタルの製品ポートフォリオ

 Western Digitalでデータセンターシステム(DCS) ビジネスユニット 開発担当バイスプレジデントのTony Chang氏は、DCS事業について、2016~2019会計年度第1四半期で収益が17倍に増加したこと、3000社を超える顧客に8500以上のシステムが導入されたこと、四半期ごとに150社以上の新規顧客を獲得していることをアピールした。

 日本でのエンタープライズビジネスの展開について、河野氏は、日本に製造拠点を持ち、垂直統合による製造体制を構築することで、価格競争力を武器にすると話す。「製品の約90%を自社で製造し、サプライチェーンも自社で構築している」(Chang氏)という。

ウエスタンデジタルの技術ポートフォリオ
ウエスタンデジタルの技術ポートフォリオ

 国内におけるビジネス体制の構築に向けた方策としては、サポート面でのパートナーシップ、ベンダーとのアライアンス、システムインテグレーター(SIer)との協業などを挙げる。また、年内には藤沢工場にラボを開設し、顧客企業との概念実証(PoC)やトレーニングの環境を整える。

 「IntelliFlash、OpenFlex、ActiveScaleを製品の主軸として、ウエスタンデジタルが国内エンタープライズ業界のゲームチェンジャーになる」と河野氏は国内ビジネスの本格始動に向けての意気込みを語った。

(左から)ウエスタンデジタルの首藤憲治氏、Tony Chang氏、河野通明氏
(左から)ウエスタンデジタルの首藤憲治氏、Tony Chang氏、河野通明氏

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