MicrosoftとBMW Groupは、ドイツのハノーバーで開催中の「HANNOVER MESSE 2019」で現地時間4月2日、産業用IoT(IIoT)とクラウドコンピューティングを活用したスマートファクトリーをより容易に構築できるようにするための新たなプラットフォーム「Open Manufacturing Platform」(OMP)を発表した。
BMWのIoTプラットフォームは現在、3000台以上の設備やロボット、自律型輸送システムを接続し、「Microsoft Azure」クラウドコンピューティングサービス上に構築されている。両社はOMPによって、スマートファクトリーの実現をサポートするオープンなテクノロジフレームワークがもたらされると述べており、自動車メーカーをはじめとする製造業者の参加を望んでいる。
製造業者はプロプライエタリなシステムがもたらすデータのサイロ化によって、発展が阻害される可能性があると両社は述べている。MicrosoftはOMPについて、オープンな産業標準とオープンなデータモデルに基づくオープンソースコンポーネントを用いたリファレンスアーキテクチャを提供することを目的としていると説明している。すべてはAzureの産業用IoTクラウドプラットフォーム上に構築される。両社は2019年末までにまず4~6社のパートナー企業を獲得し、少なくとも15のユースケースを本番環境で実現しようとしている。
Microsoftは、「コミュニティーのメンバーとパートナー企業は、産業向けのユースケースとサンプルコードを活用することで、自社データの管理を維持しながら、独自のサービスやソリューションを開発できるようになる」と述べている。
BMWはドイツのレーゲンスブルク工場における自律型輸送システムでのIoTの活用事例などを提供する。同社はIoTを活用し、輸送システムを一元的に調整する機能によって、ロジスティクスの簡素化を実現した。
Microsoftは、この事例のほか、デジタルフィードバックループやデジタルサプライチェーン管理、予測メンテナンスといったユースケースをOMPコミュニティー内で利用可能にしていくと述べている。
OMPは、機械との接続性やオンプレミス環境におけるシステムの統合といった、産業界で共通する課題に取り組むことを目指す。これによりOEM企業やサプライヤー、その他の関連パートナー間でのソフトウェアソリューションの再利用が容易になり、実装コストを低減できるようになる。製造分野やロジスティクス分野に向けた自律型輸送システム用のロボット工学規格がOMPに寄贈され、誰もが利用できるようにするとMicrosoftは述べている。
Volkswagenは3月下旬、Amazon Web Services(AWS)のクラウドコンピューティングおよびIoTテクノロジを利用し、工場とサプライチェーンの連携と管理を実現すると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。