オープンソース関連のニュースを注視していれば、この数カ月間に、Confluent、Elastic、MongoDB、Redisなどの「オープンソース」企業が、オープンソースライセンスから遠ざかっていったことをご存じかもしれない。DevOpsのリーディングカンパニーの1つであるChefは違う。今後はすべてのソフトウェアを「Apache 2.0」ライセンスの下でオープンソースとして開発すると発表した。
Chefはこれまでオープンコアというアプローチを採用していた。オープンコアでは、中核ソフトウェアはオープンソースだが、中核ソフトウェアをさらに利用しやすくしたり、追加機能や管理機能を提供したりするソフトウェアは、プロプライエタリだ。
Chefの共同創設者の1人で、現在は取締役を務めるAdam Jacob氏は、このニュースを大喜びで発表した。同氏は次のように言い放った。「Chefはオープンコア企業であることをやめ、フリーソフトウェア製品企業となった。くだらないやり方に別れを告げてせいせいした」
Jacob氏は、今回の動きに「これ以上ないほど胸が躍った」として、その理由を以下のように説明した。
これで、最も長く続いた摩擦と不満の種が私の目の前から消えてなくなる。一方では、ソフトウェアに関心を寄せ、お互いを思いやるコミュニティーがあり、われわれはそこでユーザーや顧客と協力してソフトウェアを開発する。しかしその一方で、われわれはプロプライエタリなソフトウェアスタックを生み出し、利益を上げるのに利用していた。何を取り入れて何を外すか、どこに焦点を合わせるべきか判断するのは、Chefでの仕事の最も困難な部分だった。もう誰もそんなことをしなくて済むのは喜ばしい。数人の熱心な英雄を燃え尽きさせずに、会社全体としてオープンソースコミュニティーに参加できることにわくわくしている。
Chefの顧客について、Jacob氏は次のように述べている。「Chef Softwareは、オープンソースソフトウェアプロジェクトだけを作る。そして、法人向け製品としてそうしたソフトウェアを提供する。顧客ではないChef製品の法人ユーザーは、Chefのディストリビューションに対して料金を払うか、代替となるものを開発または利用できるか判断すればいい」