「馬鹿げたたわ言も言えなくなった」--復帰後のトーバルズ氏が自己評価

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-04-08 06:30

 Linuxカーネルの生みの親であるLinus Torvalds氏は、かつてかんしゃくを起こしやすいことで有名だった。しかし今では、(必ずしも社交性が増したわけではないものの)口数が少なくなり、自覚が高まり、強引さも弱まったという。また同氏は、ソーシャルメディア企業を嫌っている。

 ご存じの通り、Torvalds氏は2018年の末に、頻繁にかんしゃくを起こす態度や、ほかのカーネル開発者に対する言動について反省するために、Linuxカーネル開発の現場をしばらく退いた。

 その後復帰した同氏は、言葉遣いを改め、新たに導入された「Linuxカーネルにおけるコントリビューター行動規範の解釈」に沿って、カーネル開発者の間で交わされる会話がより健全でプロフェッショナルなものになるよう促すと宣言した。米国時間4月2日に公開されたLinux Journalのインタビュー記事では、そのTorvalds氏が今の自分に対する自己評価を語っている。

 インタビュアーを務めたのは、25年前にも同誌のためにTorvalds氏のインタビューを行った、Red Hatの共同創業者Robert Young氏だ。同氏は、Linuxに関する議論で「歯に衣を着せずに」ものを言うTorvalds氏の態度を評価している人もいるが、その無作法なスタイルを嫌う人もいると指摘した。

 その上でYoung氏は、Torvalds氏に対して、その後同氏の社交性は増したのかと尋ねた。

 これに対しTorvalds氏は、現在や将来の自分について「社交性」という言葉を使うのは避けた一方で、自分は「口数が減った」「自覚が高まったかもしれない」と答え、「強引な態度を控えようとしている」とも語った。

 これに続く同氏の話は、休暇を取ったことや「お互いに寛容に振る舞う」ことを目指す新たな行動規範は、意図した効果を上げているのかもしれないと思わせるものだった。

 一方で同氏は、振る舞いがトーンダウンした理由は、今では自分が主流メディアの注目を浴びる存在であり、「馬鹿げたたわ言」を言えば必ず糾弾されると気づいたためであることをほのめかしている。

 The New Yorkerは、2018年10月にTorvalds氏が休暇に入ったあとに、ある記事を掲載した。その記事では、同氏がLinuxカーネルの開発に女性が関わることを妨げていたという主張について取材するため、同氏に質問を送っていたことが明かされている。The New Yorkerの質問は、Torvalds氏の謝罪を引き出した。

 同氏は取材への回答で、「わたしは(中略)必ずしも他人とのコミュニケーションが得意ではない。これは生まれたときから抱えてきた問題だ。これまでに傷つけたすべての人に対して、本当に申し訳なく思っている」と述べた。

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