Adobeが米国時間4月9日、大規模なセキュリティアップデートをリリースした。これには、緊急度が「クリティカル」および「重要」に分類される、複数の脆弱性を修正するアップデートも含まれている。
Adobeがこの日発表したセキュリティ速報によると、今回のセキュリティ強化アップデートの対象となるのは、「Adobe Bridge CC」「Adobe Experience Manager Forms」「Adobe InDesign」「Adobe XD」「Adobe Dreamweaver」「Adobe Shockwave Player」「Adobe Flash Player」「Adobe Acrobat/Reader」の各製品だ。
今回のアップデートでは、任意のコード実行、機密情報の漏えい、現在のユーザーのコンテキストでのリモートコード実行といった脆弱性が修正された。
Adobe Bridge CCでは、ヒープオーバーフローの脆弱性(CVE-2019-7130)のために、リモートでコードを実行される恐れがあった。また、同じような目的で悪用できる、境界を越えた書き込みを可能にする脆弱性(CVE-2019-7132)も存在したが、どちらも今回のアップデートで修正された。さらに、情報漏えいを引き起こす恐れのある6つの脆弱性も、今回のアップデートで修正された。
一方、Adobe Experience Manager Formsでは、クロスサイトスクリプティング(XSS)に関する脆弱性(CVE-2019-7129)が修正される。この脆弱性が攻撃者に悪用されると、機密情報の漏えいが引き起こされる恐れがあるということだ。
Adobe InDesignでは、CVE-2019-7107が修正された。深刻度がクリティカルに分類されるこのバグは、現在のユーザーのコンテキストで任意のコード実行の原因になりかねない危険なハイパーリンク処理によるものだ。またAdobe XDでは、任意のコード実行の恐れがある2つ脆弱性、CVE-2019-7105とCVE-2019-7106が修正された。
Adobe Shockwave Playerでは、7つのクリティカルな脆弱性が修正された。これら(CVE-2019-7098、CVE-2019-7099、CVE-2019-7100、CVE-2019-7101、CVE-2019-7102、CVE-2019-7103、CVE-2019-7104)はすべて、任意のコード実行の原因になりかねないメモリ破損の脆弱性だ。
Adobe Flash Playerでは、重要な脆弱性(CVE-2019-7108)とクリティカルな脆弱性(CVE-2019-7096)が修正された。それぞれ、境界を越えた読み取りによる情報漏えいの恐れと、解放済みメモリ使用による任意のコード実行の恐れがあるものだった。
Adobe Acrobat/Readerでは、21件の脆弱性が修正された。そのうち10件は情報漏えいにつながる恐れがあり、11件は任意のコード実行につながる恐れがあった。
Adobe Dreamweaverでは、1件の中度の脆弱性が修正された。Server Message Block(SMB)リクエストでリレー攻撃を受ける場合の機密データ漏えいの恐れがあった。
攻撃のリスクを緩和するため、ユーザーはソフトウェアの自動アップデートを受けることが推奨される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。