事前に業務プロセスを整理、効率化できる新業務フローを作成し、RPAの対象範囲を明確化して臨んだという。開発における課題も常に共有し、スムーズに調査研究を進められたとしている。
PoCを進める体制は、利用者側と開発者側に分類。RPAの処理手順を検討する前に体制の組み替えで効率化が模索でき、より効率的な方法が模索できたとしている。
PoCによって発見できた留意点として、IDやパスワードを職員と併用するか個別に発行するかどうか、管理できない“野良ロボット”発生の可能性やセキュリティ対策といった「ITガバナンス」、RPAは無人で運転可能なためどこまで信頼性を確保できるかなどの「業務プロセス自動化に対する信頼性」、RPAを適用する「業務分析の重要性」などを挙げている。課題を明確化できたとしている。
人工知能(AI)を活用した光学文字認識(OCR)“AI OCR”やグループウェアなど他のシステムとの連携を検討する際には、“人による判断がどこから必要となるか”“人が処理した場合の手戻り発生の可能性”など、「人間の処理とRPAでの処理との違い」に留意する必要があると説明している。
検討すべき課題や将来の展望を明確にすれば、開発型RPAで既存システムと連携したさらなる効率化が可能で、他課への流用が可能な部分も多いという。他業務へのRPA導入時の開発期間の短縮に加え、将来的な組織変更、業務フロー変更時などにおいても柔軟かつ短期間で改修、保守できると見込むという。PoCとしての一定の成果を上げたとまとめている。
ROBOWAREは、オルタフォース(新宿区)が開発するエンジンを元にイーセクターが提供する、コンピューターでの操作をソフトウェアロボット化させるフレームワークソフトウェア。グリッドコンピューティングによるネットワーク方式(グリッド方式)を採用し、ロボットそれぞれが命令を処理するサーバとしても命令を出すクライアントとしても動作できるという。

グリッド方式のイメージ(出典:イーセクター)
RubyやJavaなどの汎用的なプログラミング言語を使ったAPIによって開発でき、RPAの第一段階である定型業務に加え、企業や組織の特有の環境に合わせた業務プロセスの自働化を実現する「RPA 2.0」を実現するとしている。

ROBOWARE導入による期待値(出典:イーセクター)
イーセクターとパートナーから購入できるが、オープン価格で想定価格などは公表していない。