物流支援ロボットとRFIDの効果を検証--凸版印刷とZMP

大場みのり (編集部)

2019-04-16 15:05

 凸版印刷とZMPは4月16日、共同開発する「CarriRo(キャリロ)AD」とRFID(Radio Frequency Identifier)を組み合わせた無人物流支援ソリューションの実証実験によって、棚卸しや検品における省人化の効果を確認したと発表した。経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2018年12月10日から12月21日に実施した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」の実現に向けた実証実験での成果となる。

 この実証は、経産省とNEDOの「電子タグを用いたサプライチェーン情報共有システムの実験」の予備検証として、日本自動認識システム協会(JAISA)から委託を受けて実施した。

 CarriRo ADは、運搬時の生産性を最大約3倍まで引き上げられるとするZMPの台車型物流支援ロボット。CarriRo AD1台で最大150kg、オプションのけん引治具を取り付けると約300kgの荷物を運べ、倉庫や物流センター内のピッキング業務の効率化が実現する。また、工場内の工程間搬送に利用することで、ベルトコンベアやAGV(無人搬送車)にも代替する。販売開始から累計100ユーザー以上の導入実績があり、物流拠点や工場に加え、ホテルといったサービス業界など、さまざまな分野において導入が広がっているという。

 今回の実証実験では、電子タグを貼り付けた段ボールやカゴ台車などをCarriRo ADがけん引し、RFIDリーダーのゲートを通過させることで、読み取り精度を検証した。物流センターでは、段ボールを積載するカゴ台車が重く、人力でけん引する際の負荷が課題だった。そこでCarriRo ADに段ボール、カゴ台車などをけん引させることで、その課題を解決した。実証実験では、段ボール、カゴ台車、番重などへの電子タグ貼り付け位置のガイドラインを策定するため、120kg以上の段ボールを積載したカゴ台車で500回以上の読み取りを完全に無人で実施し、基礎実験データを取得した。加えて、人力でゲートを通過した時と比較して、無人で走行するCarriRo ADがゲートを通過しても読取性能が変わらないことを確認した。

 凸版印刷は、CarriRo ADとRFIDの組み合わせによる省人化、労働力不足などの社会課題解決に向けた効果を確認したとコメントしている。

実証実験の様子(出典:凸版印刷)
実証実験の様子(出典:凸版印刷)

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