アクセンチュアは4月18日、今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらす重要なテクノロジーのトレンドを予測した年次調査レポート「Accenture Technology Vision 2019」を発表した。デジタル技術自体はもはや企業の差別化要因とならず、「ポストデジタルの時代」が到来すると説明する。
同調査は、世界27カ国・20の業界にわたる6672人の企業経営層やIT担当幹部を対象に、主要な課題と優先的に導入、投資すべきテクノロジーについてオンライン調査を実施。その結果をアクセンチュア・ラボとアクセンチュア・リサーチがまとめたもの。
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「SMAC」から「DARQ」へ
レポートでは5つのテクノロジートレンドを挙げ、その中でも特に注目したいのが「DARQ」についてだ。DARQとは、分散型台帳(distributed ledgers)、人工知能(artificial intelligence)、拡張現実(extended reality)、量子コンピューティング(quantum computing)の4つの技術を略したもの。
これまでは、SMAC(Social、Mobile、Analytics、Cloud)と呼ばれる技術群が企業のデジタル変革を推進してきたが、デジタル化の先にあるポストデジタルの時代には、DARQが競争優位につながるという。
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現時点でのDARQテクノロジーは企業の競争力を飛躍的に高める要因となっている、とアクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 インテリジェントソフトウェア エンジニアリングサービス グループ統括 マネジング・ディレクターの山根圭輔氏は話す。ブロックチェーン技術を用いて国際海運業務を改革する事例や、交通渋滞を瞬時に計算して配送や積載効率を向上させる量子コンピューティングの取り組みなどが紹介された。
「DARQテクノロジーを使用して差別化を強力に推進するトレンドは既に始まっている。SMACテクノロジーは依然として競争上の大きな差別化要因になるが、ポストデジタル時代をリードするためにはSMACを固めた上でDARQへの素早い戦略的フォーカスが必要になる」(山根氏)