Salesforceは米国時間4月23日、「Sales Cloud」の新機能を発表した。営業担当者の管理タスクを合理化することを目的とし、生産性を向上させるための機能だ。同社の推定によると、営業担当者は契約の締結に必要な情報を検索するために1週間あたりおよそ9時間を費やしているため、実際の営業活動を行う時間が減少しているという。
この点を踏まえ、Sales Cloudにおける今回のアップデートでは、情報へのアクセスやコラボレーションの効率向上をもたらす機能にフォーカスしている。その1つは新たな「Inbox Now」アプリだ。Salesforceによると、同社の人工知能(AI)システム「Einstein」を活用するこのアプリを使用することで、営業担当者はアカウントの詳細情報や連絡先、会議の情報を自らの予定表に直接統合し、コンテキストに応じた洞察を得られるようになるという。
また、Einsteinを活用し、見込み顧客の類似点を浮き彫りにすることで、新たなキャンペーン対象を洗い出せる新ツールもある。さらに営業担当者は、AIを用いる新たな「Social Intelligence Module」の活用によって、ビジネス関連の話題につながるソーシャルメディアフィードを収集できるようになる。
Salesforceの製品管理担当シニアバイスプレジデントであるRobin Grochol氏はブログ記事に「経費報告書の代書はできないが、担当者が生産性を高めるための支援はできる。このため、どの部分で、どのようなかたちでプロセスを効率化できるか、理解を深められるようにするとともに、担当者の作業時間をより生産的なものにするうえでの支援をできるようにするために、Salesforceに流れ込む情報と出て行く情報を詳しく調べた」と記している。
また同社は、新たな見込み顧客にリーチしようとする際のベストプラクティスを推進する手段として、以前に功を奏した販売戦略から担当者がテンプレートを作成できるようにするツールも追加した。さらに同社は、「Quip for Sales」内に動的なドキュメントやスプレッドシートを埋め込めるようにした。
Grochol氏はブログ記事に「これらの新たな生産性向上機能を用いて情報の流れを管理することで、必要なものが必要となった時にSales Cloud内ですべて得られるようになる。これはすべての担当者の効率を向上させ、彼らの力を最も効果的なアカウントプランやタスクに集中できるようにし、一人一人のパフォーマンスを強化し、スキルアップに結びつけるということだ」と記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。