本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が日本マイクロソフトおよび米SkyKickと協業して提供を開始した「クラウドバックアップ」である。
Office 365のデータバックアップサービスを提供開始
クラウドバックアップとは、NTT Comが先頃、クラウド型オフィスアプリケーション「Office 365」の追加メニューとして提供を開始したOffice 365のデータバックアップサービスのことである。
現在、Office 365を利用している企業では、コンプライアンスや監査対応を目的として、Office 365のオプション機能であるメールデータのバックアップ、アーカイブサービスの利用が浸透している。
また、最近では個人情報の適切な保管やBCP(事業継続計画)対策などへの関心の高まりを受け、メール以外のデータなどについても、バックアップを行いたいというニーズが増えてきている。
これらを踏まえて、NTT Comは米国においてOffice 365のデータバックアップサービス提供の豊富な実績を持つSkyKickと協業し、同社サービスを活用したクラウドバックアップの提供を開始した形だ。(写真1)
左から、日本マイクロソフト執行役員常務パートナー事業本部長の高橋美波氏、SkyKick共同経営責任者のTodd Schwartz氏、NTT Com取締役アプリケーション&コンテンツサービス部長の工藤潤一氏、SkyKick共同経営責任者のEvan Richman氏、NTT Comアプリケーション&コンテンツサービス部アプリケーションサービス部門長の中野誠氏
クラウドバックアップを利用すれば、Office 365における主要サービスのデータを自動でバックアップし、万一ファイルを消失した際には専用のポータルサイトから迅速に復元することができる。
また、新たにOffice 365の利用を始めたユーザー向けに、バックアップ機能に加え、メールデータの移行や導入サポートサービスをセットにした「移行サポートパック」も用意。Office 365を利用したクラウド環境を構築するユーザーのスムーズな導入を支援するとしている。(図1)
図1:クラウドバックアップのサービス構成
発表会見で説明に立ったNTT Com取締役アプリケーション&コンテンツサービス部長の工藤潤一氏は、この新サービスによって「中堅中小のお客さまを中心とした日本企業のオフィス環境のクラウド化を支援していきたい」との意気込みを語った。