中堅中小企業向けにも注力する姿勢を打ち出したNTT Com
新サービスの特長としては、「Exchange Online」のメールデータや予定表、連絡先情報だけでなく、Office 365の主要サービスであるストレージサービス「SharePoint Online」および「OneDrive for Business」、統合コミュニケーションツール「Microsoft Teams」に保存しているファイルを全てバックアップすることができる点が挙げられる。
また、重要なデータを契約期間内は無期限・容量無制限で保管することができ、アーカイブとしての利用はもちろん、退職によるアカウント削除で消えてしまったデータの復元や、マルウェア感染やその他予期せぬ原因で消失したファイルの復元など、Office 365のみでは対処が難しいさまざまなケースで活用可能だ。
2020年に控える「Office 2010」と「Windows 7」のサポート提供の終了や働き方改革の推進などに向けて、これからOffice 365を導入するユーザーに対しては、「移行サポートパック」がセットになったプランも提供。リモートでメール移行要件のヒアリング、移行設計、専用移行ツール設定、移行状況のモニタリングなどのサポートを行うほか、移行先となるOffice 365の初期設定サポート、管理者および利用者向けのトレーニングなども行うとしている。(図2)
図2:クラウドバックアップのサービス概要
筆者がこのサービスに注目したのは、NTT Comがクラウドサービスプロバイダーとして、中堅中小企業向けにも注力する姿勢を強く感じたからである。とりわけOffice 365のようなSaaSは、大手企業もさることながら中堅中小企業にとって導入メリットが大きいとも言われる。そこへさらに手頃な料金でバックアップサービスを適用できるならば、ユーザーにとって魅力的なソリューションになるのではないか。同社の新たな戦略としても注目しておきたい。