DMM.com証券は、口座開設時のオンライン本人確認において、シンプレクスの本人確認プラットフォーム「Deep Percept for eKYC」を採用した。シンプレクスが5月7日に発表した。
これまで金融機関の口座開設をする際、顧客は本人確認書類の写しの送付と転送不要郵便の授受により本人確認を行っていたが、犯罪収益移転防止法の施行規則が改正されたことによって、オンラインによる本人確認の完結する「eKYC」(e-Know Your Customer)が可能になった。そこでDMM.com証券は、eKYCの導入を決定し、Deep Percept for eKYCを採用した。
採用の背景として、シンプレクスは「われわれのFXディーリングシステムや、競走用馬ファンド管理システムの開発・運用実績、および人工知能(AI)子会社として設立されたDeep Perceptの技術力が評価された」とコメントしている。
Deep Percept for eKYCの特徴は、以下の2つである。
- AI技術のシステム適用
AI技術を用いることで、本人確認書類の顔写真と本人の画像データとの照合や、AI-OCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)による本人確認書類情報の読み取り、および顧客エントリー情報との照合が実現する。また、ディープラーニングにより継続的な読み取りの精度向上が見込まれる - 顧客の離脱を防ぐウェブブラウザ機能
顧客の利便性向上や口座開設作業での離脱防止に向け、ウェブブラウザにおける本人確認機能を提供する
Deep Percept for eKYCは、口座開設だけでなく、FATF(Financial Action Task Force:金融活動作業部会)が金融業界に求めている適切な低減措置「リスクベースアプローチ」への適応も可能。シンプレクスは同サービスを活用し、法令・規制などへの対応や、BPR(Business Process Re-engineering)コンサルティングを提供していくとしている。