Microsoftの「Universal Windows Platform」(UWP)の今後がどのようになるのか、多くの識者やパートナー、顧客が何カ月も前から疑問に思っているようだ。UWPは、同社が注力し、広く普及しているプラットフォームだ。しかし、Win32も依然として支持されており、同社は再び力を入れようとしているように見受けられる。実際のところはどうなのだろうか?
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筆者は今週、ワシントン州シアトルでWindows開発者プラットフォーム担当コーポレートバイスプレジデントであるKevin Gallo氏と話し、「Windows」の開発者向けプラットフォームに関する同氏の見解を尋ねる機会があった。
Microsoftは2015年にUWPを披露した際、このプラットフォームによってアプリのパフォーマンスが向上するとともに、「Microsoftストア」からの配布とアップデートが可能になるため、セキュリティーが強化されると述べていた。またUWPのビジョンを語る際に、開発者は「Windows 10」や「Windows Phone」「Microsoft HoloLens」などをまたがる共通のプログラミングインターフェース一式を利用できるとも述べていた。ただ、UWPが動作するのはWindows 10ベースのデバイスのみであるため、開発者はUWP/Microsoftストアに対応するよう自らのアプリを修正する必要がある。また、Win32アプリはタッチ操作や手描き入力といったUWPの機能を使用できない可能性があった。
Gallo氏は筆者に対して、「そういった方向に進むべきではなかった」とし、これによって分断が生じたことを示唆した。ただ、同氏を含むMicrosoftの幹部らはUWP路線を今後も維持しようとしている。
Microsoftはここ1年ほど、Win32アプリに「モダンデスクトップ」要素を追加することで、Win32とUWPの間に生み出された、Gallo氏が呼ぶところの「非常に大きい分断」がもたらした影響を緩和する取り組みを続けている。
Gallo氏は筆者に対して「この取り組みが完了した暁には、すべては単に『Windowsアプリ』と呼ばれることになるだろう」と述べたものの、「まだその段階には至っていない」とも述べた。しかし、この構想は究極的に、「あらゆるプラットフォーム機能をすべての開発者が利用できるようにする」ことだという。
Microsoftは2018年に、「XAML Islands」というテクノロジーを発表した。このテクノロジーを利用することで、開発者は「Windows Forms」「Windows Presentation Foundation」(WPF)、ネイティブWin32など、使用しているUIスタックにかかわらず、XAMLにアクセスできるようになる。