従業員が使用したい技術と、職場が提供する技術には隔たりがあり、企業で働く人々はその問題を回避する方法を探っている。多くの場合は、IT部門の許可を得ず、承認されていないメッセージングアプリを使用するといったようなものだ。
米国カリフォルニア州サニーベールに本拠を置くコミュニケーション&コラボレーションソリューションプロバイダーのNextPlaneが公開したレポートによると、承認されていないコラボレーションツールの業務利用が増え続けているようだ。
同社は、さまざまな産業分野のIT専門家750人を対象に調査を実施した。新しい技術の拡大状況やIT部門がその変化にどう適応しているのかを調べる目的で行われた。
5人に4人以上(84%)が、自社は従業員の共同作業に必要なソフトウェアツールを提供していると回答した。
ただし、IT専門家らは、エンドユーザー自身が適切なコミュニケーションツールを探していることも認めている。
実際、3人に2人(67%)のエンドユーザーまたはチームが、独自のチームコラボレーションツールを組織に導入した。
また、5人に4人以上(82%)は、企業がどのコラボレーションツールを使用すべきかを決定しようとしたときに、エンドユーザーやチームがIT部門や管理部門の判断を押し戻したと答えている。
ほとんどの場合においてIT部門の判断が優勢であるとしても、ほんの一部のエンドユーザーは依然として自ら選んだコラボレーションツールを使用している。10人に1人(13%)は、従業員がIT部門と会社の決定を無視して、自分の選んだツールを使い続けたと答えている。
IT部門もそうした衝突を避けているわけではない。およそ3人に2人(63%)は、従業員が押し戻そうとしても、IT部門の判断が優勢であると述べた。ただIT部門にも限界がある。
企業は人材の減少を抑え、貴重な従業員を手放したくないと考えている。
回答者の3分の2以上(69%)が、評価の高い従業員がツールの利用可否を理由に辞めてしまう恐れがある場合、その従業員を失うリスクを冒すのではなく、要求を受け入れるだろうと述べた。
IT部門の承認や関与なしに新しいテクノロジーを導入する場合のリスクについて、79%の回答者が会社のデータと情報をセキュリティー上の危険にさらすと回答し、71%がIT部門の生産性と効率性に懸念を示している。
チームコラボレーションツールに関して、ツールの棚卸しと利用状況を把握できると確信しているのは、4人に1人(23%)にすぎなかった。
IT部門の関与や承認なしに、従業員が承認されていないツールやテクノロジーを業務に導入すると、会社のデータや情報のセキュリティーが脅かされる恐れがある。
さらに、IT部門の生産性を低下させ、企業が使用するシステムの相互運用性を低下させる可能性もある。
これは、IT部門の信頼性と、エンドユーザーが社内で使用しているソフトウェアとツールのインベントリと使用状況を追跡する能力の確実性に影響を与える。
NextPlaneの最高経営責任者(CEO)であるFarzin Shahidi氏は、次のように述べる。「IT部門は、チーム間および組織全体のシームレスなコラボレーションとコミュニケーションを損なうことなく、エンドユーザーの好みを考慮に入れたコラボレーション戦略を必要としている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。