DIYで無線LANアクセスポイントを整備--Meraki Goを試す - (page 4)

渡邉利和

2019-05-18 07:00

簡単さと見通しの良さのバランス

 実は試用の際にちょっとしたトラブルが生じ、作業が予定通りに進まなかった。アプリでシリアルコードを読み取った後、指示に従ってケーブルを接続し(画像13)、ハードウェアの準備が整うのを待って(画像14/画像15)、その後ネットワークの設定に進むはずだった。だが、ハードウェア側がクラウドをチェックしてファームウェアなどのアップデートを行った後、再起動して準備完了しているにもかかわらず(画像16)、アプリ側では「ネットワークエラー」状態になったままで、設定作業が先に進まなくなってしまった。

画像13:ケーブリングの説明。説明の内容からは、ユーザーとして「ブロードバンドルーター」や「ケーブルモデム」といった用語にもあまりなじみのない層を想定していることがうかがえる
画像13:ケーブリングの説明。説明の内容からは、ユーザーとして「ブロードバンドルーター」や「ケーブルモデム」といった用語にもあまりなじみのない層を想定していることがうかがえる
画像14:電源ケーブルが接続されれば、本体との通信が可能になるはずだが、試用時にはこの画面から先に進めず、何度繰り返しても上手く接続できずに終わってしまったため、やむなく右上の「スキップ」をタップして処理を中断し、改めて手動でネットワーク設定を行っている
画像14:電源ケーブルが接続されれば、本体との通信が可能になるはずだが、試用時にはこの画面から先に進めず、何度繰り返しても上手く接続できずに終わってしまったため、やむなく右上の「スキップ」をタップして処理を中断し、改めて手動でネットワーク設定を行っている
画像15:先の画面の下部に表示されていた「デバイスのLEDライトの凡例」をタップしたところ。本体の稼働状態を知る手がかりはこれだけだ
画像15:先の画面の下部に表示されていた「デバイスのLEDライトの凡例」をタップしたところ。本体の稼働状態を知る手がかりはこれだけだ
画像16:稼働状態の本体。右上角のカラーインジケーターで状態を読み取る。写真の緑点等は「オンライン」の意味になる
画像16:稼働状態の本体。右上角のカラーインジケーターで状態を読み取る。写真の緑点等は「オンライン」の意味になる

 「問題が解決しない場合はサポートに連絡」といったメッセージは出るものの、とりあえずは「ネットワーク設定」を「キャンセル」してアプリを一度終了し、再起動した際に「ネットワーク設定が行われていない」という表示から手動設定することにより、自力で復旧した(画像17)。エラーの理由はよく分からないが、接続相手のブロードバンドルーターからDHCPでIPアドレスを受け取る処理などに結構時間が掛かったようなので、その間にアプリがタイムアウトしてしまい、以後回復できなかったという状況のようだ。その推測が正しいかどうかはともかく、この状況からは「知識が無くても誰でも簡単に使えるネットワーク機器」というものを作るのは、まだそう簡単ではなさそうだ。

画像17:手動でのネットワーク設定の様子。ネットワーク名がSSIDだと思えばよい。パスワードなしでの接続を認める場合にはパスワードを空白にしておく。「ゲストネットワーク」を選択すると、同じネットワークに接続している他のデバイスの情報が表示されなくなるが、パスワードの設定とは独立しているので、ゲストネットワークを選ぶと自動的にパスワードなしで接続できるようになるわけではない
画像17:手動でのネットワーク設定の様子。ネットワーク名がSSIDだと思えばよい。パスワードなしでの接続を認める場合にはパスワードを空白にしておく。「ゲストネットワーク」を選択すると、同じネットワークに接続している他のデバイスの情報が表示されなくなるが、パスワードの設定とは独立しているので、ゲストネットワークを選ぶと自動的にパスワードなしで接続できるようになるわけではない

 実際、Meraki Goは無線LANアクセスポイントとしての機能しかないため、インターネットへの接続を別途用意している必要がある。Meraki GoとしてはLANケーブルを接続するだけで自動的にインターネット接続が確立される状況を想定しているだろうが、そこでトラブルが起きた場合は、アプリだけが全ての作業をするインターフェースだと逆に見通しが悪く、解決に向けた情報収集もままならないという少々歯がゆい状況に陥りそうだ。

 例えば、セキュリティ面で堅牢な設定になっており、あらかじめ登録されたMACアドレスを持つデバイス以外は接続させないような設定だと。Meraki Go側では解決できないだろう。そういう“特殊な”環境なら詳しい運用管理担当者がいるはずという想定かもしれないが、アプリで全て操作するというインターフェースは既存のネットワーク管理者にとっては逆に使いにくいものかもしれない。

 Meraki Goは、製品として技術に詳しい担当者がいない店舗などでも簡単にWi-Fi環境を構築できるようなアクセスポイントをという理想をかなりのレベルで達成できていると評価してよさそうだ。ただ、完璧とまでは言えないだろう。これ以上はサポート体制を充実させるなどしてカバーするという考え方もあるだろう。この製品が実際にどのようなユーザーを獲得するかによって、Cisco Startの展開方針も変わってくるのかもしれない。

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