Adobe Systemsは米国時間5月13日、GoogleやAmazon、PayPalなどとの統合を含む、「Adobe Commerce Cloud」に対する一連の新機能を発表した。13~15日に開催される同社の「Imagine 2019」カンファレンスに合わせて実施されたこれらのアップデートは同社によると、中小企業や中規模市場の小売業者に焦点を当てたものであり、顧客や販売チャネル、エクスペリエンスの間のギャップを埋めることを目指しているという。
Commerce Cloudは「Adobe Experience Cloud」の一部をなす製品であり、同社が2018年6月に16億8000万ドルで買収したMagento Commerceの技術を活用したものだ。この製品は、Magentoのプラットフォームと、Adobeの他のクラウドスイート製品を統合したフルマネージド型クラウドサービスとして機能する。
目玉となる新機能には、「Magento Commerce」および「Magento Open Source」のバージョン2.2.4以降の顧客に向けた、「Google Shopping ads Channel」のローンチが含まれている。このチャネルは「Google Merchant Center」や「Google Ads」と直接統合されており、Magentoの管理者用ダッシュボードから直接、Googleネットワークを通じた広告キャンペーンの管理やレポート作成が可能になっている。
またAdobeは「Amazon Sales Channel」の提供も開始した。この製品は、小売店が「Amazonマーケットプレイス」に出店する際の支援を提供するものだ。Googleとの統合と同様に、Amazon Sales Channelによって小売店は、Magentoの管理者用ダッシュボードから自社製品のカタログを統合し、一覧を管理できるようになるとともに、双方向のデータの流れを生み出すことで、在庫管理の強化に結びつけられる。
さらにAdobeは、新たな「Experience Platform Launch Extension」により、同社の分析プラットフォームをMagentoにもたらそうとしている。同社は、これによりMagento Commerceと「Adobe Analytics」の間のデータの流れを簡単に生み出すうえで必要となるタグ管理を実現できるようになると述べている。
このほかにもAdobeは、「Progressive Web Application(PWA)Studio」とPayPalの「Braintree」を統合した。PWA Studioの目的は、アプリと同様のエクスペリエンスをもたらすオンラインストアの構築とともに、最終的なコンバージョンレートの引き上げに向けて支援するというものだ。Braintreeとの統合により、小売店と開発者は実績あるゲートウェイを通じてデビットカードやクレジットカードでの決済処理を開始できるようになる。
Adobeにおいてコマース関連の製品およびプラットフォームを担当するバイスプレジデントのJason Woosley氏は「われわれは、今まで以上に中規模市場に力を注いでいる。これからも、中規模市場のあらゆるチャネルの小売店に対して、売り上げを伸ばすとともに利益を成長させるためのリソースと能力を提供できるよう投資を続けていく」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。