(1)の言語依存はデータ内容自体が言語に基づいているため至極当然だが、Jewett氏は「(データを読み取り、使用、分析し、データに基づいて議論する能力を指す)データリテラシーは解釈だけでは足りない。データ思考やクリティカルシンキング。データを活用できているか判断できるのが重要だ」と説明。こうした状況を踏まえて、同社はデータリテラシーの向上を目指したトレーニングプログラム、全世界70万人の学生を対象にしたアカデミックプログラムを提供している。
Tableau プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Mark Jewett氏
アドビシステムズ マーケティング本部 マーケティングインサイト&メディアストラテジー データ&ウェブ アナリティクスストラテジスト 前井梓氏
(2)の柔軟性と適応性はそのまま社員へのデータアクセス権限付与と、企業のガバナンスに置き換えられる。Jewett氏は「ユーザーは自分が使いたいデータドリブンツールを自由に選択すべきだ。よいユーザー体験を提供すれば、ガバナンスを遵守しながら活用する。データトラッキングにも嫌な顔をしないだろう」とバランスの重要性を強調した。
(3)の他者との共有とは、つまりコミュニティーの醸成。現在日本では34のユーザーグループが存在し、コミュニティーなどから選出された“Zen Master”も世界20~30人中3人が日本人だという。
日本独自の取り組みとして社内に“データヒーロー”を育成するプログラム「Tableau Jedi(ジェダイ)」を実施中。プレスラウンドテーブルには、ジェダイの1人としてアドビシステムズの前井梓氏も参加した。
Tableauは、自然言語処理を用いて平素な言葉で質問できる機能「Ask Data」、自社サーバー内でデータの前処理フローを作成するアプリケーションである「Tableau Prep Builder」と前処理フローを管理する機能である「Tableau Prep Conductor」などを含んだ「Tableau 2019.1」を2月にリリースした。
「直近1年間で140以上の機能を実装した。近い将来、ネイティブのカタログ機能を発表する予定。より多くの人々がデータを活用できるように支援したい」(Jewett氏)。佐藤氏は「日本企業固有の課題もある。それらを吸い上げつつ製品開発に反映し、グローバルの成功例を一定の成熟度を持つ企業に対して提供する」と今後の展開をつまびらかにした。