IDC Japanは5月14日、国内コミュニケーションロボット、自律移動型ロボット、ドローンソリューション市場におけるユースケース(用途)別/テクノロジー別支出額予測を発表した。
これによると、国内自律移動型ロボット市場は2018〜2023年において、年平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)23.7%で成長し、2023年の市場規模は561億円になると予測される。
国内自律移動型ロボット市場の支出予測額(出典:IDC Japan)
IDCは今後、同市場が大きく拡大するとみている。ユースケース別では、小売や卸売などの「倉庫管理」での利用が市場をけん引しているとした。小売/卸売倉庫ではインターネットショッピングによる受発注作業の継続的な増加と人手不足が深刻化している。こうした課題解決のために、商品棚やパレットを運ぶ自律移動型ロボットの導入が加速している。
さらに商品管理から出荷前の棚出し梱包までを自動化することで、作業員の作業量削減と能力に依存しないオペレーションの構築が進められている。このような自動化の実現に向けて、自律移動型ロボットが積極的に活用されていくとしている。
また、人物の顔や表情を認識して双方向の対話が可能なコミュニケーションロボットについては、現状の市場規模は大きくない。今後は技術的革新とともに、より人間に近い自然な動きや迅速な反応ができるようになることで成長が期待できるとIDCはみている。この市場は、CAGR 15.3%で成長し、2023年には22億円になると予測されている。
さらにドローン機体に加えて運航管理や取得した動画像データの解析を含めたドローンソリューション市場では、航空法や電波法などの諸法令や政府の飛行規制もあり、市場は緩やかな立ち上がりを見せている。今後は、政府の規制緩和に伴って企業のドローン活用領域が拡大するため、2023年にかけてCAGR 20.3%で成長し、市場規模は213億円に達するとIDCは予測している。またユースケース別では、施設や建造物、プラント設備などの「点検/調査」でのドローンの活用が市場をけん引するとしている。