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初歩から理解するネットワークの基礎(1)--ネットワークの基本を分かりやすく解説 - (page 3)

翁長潤

2019-05-25 07:00

第5層(セッション層)

 第5層のセッション層では、通信の確立からデータの転送までの通信の一連の流れを管理します。セッションとは、アプリケーションやユーザーがひと続きとみなす通信状態のことを指し、複数のコネクションから構成されます。

図7:セッションのイメージ
図7:セッションのイメージ

第4層(トランポート層)

 第4層のトランポート層は、コネクションを確立してデータを確実に届ける役割を担います。第3層のネットワーク層から流れてきたデータの整列や誤り訂正などを行い、送受信されたデータの信頼性を確保します。

 トランスポート層では、「TCP」と「UDP(User Datagram Protocol)」というプロトコルが使用されます。それぞれ特性があり、通信の用途によって使い分けられています。

図8:TCPとUDPの特性
図8:TCPとUDPの特性

第3層(ネットワーク層)

 第3層のネットワーク層では、「IPアドレス」から宛先と最適ルートを判断して通信を行います。ネットワーク層では、「IP(Internet Protocol)」や「ICMP(Internet Control Message Protocol)」「ARP(Address Resolution Protocol)」などのプロトコルが使用されます。現在、「IPv4」「IPv6」の2形態が存在しますが、本記事ではIPv4のみを扱います。

 その中でもIPは重要な役割を持ちます。ネットワークをまたいでパケット配送するため、このプロトコルによって別のネットワークとの通信が実現されます。また、それぞれのホストを識別するためにIPアドレスが使用されます。

 IPアドレスは、送信元コンピューターと宛先コンピューター、中継するネットワーク機器を識別するために必要な情報です。郵便に例えた場合、住所をイメージすると分かりやすいでしょう。

 コンピューターには最低1つ、ネットワーク機器には複数のIPアドレスが付けられます。IPアドレスには「グローバルIPアドレス」「プライベートIPアドレス」の2種類があります。

 グローバルIPアドレスは、インターネットで利用されるIPアドレスで、世界中に同じIPアドレスを持つコンピューターは存在しません。日本では日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が管理しています。プライベートIPアドレスは、LANなど企業内の閉じたネットワークで利用されます。ネットワーク内でIPアドレスを自由に利用できる点が特徴です。

・サブネットとサブネットマスク

 ネットワークが大規模になってくると、単一のネットワークとして管理することが難しくなってきます。例えば、ネットワーク内で混雑が発生し、回線を圧迫することもありました。そこで、より小さな単位でネットワークを論理的に分割して管理する「サブネット」という方式が取られました。

 サブネットを表現するための値が「サブネットマスク」です。IPアドレスは、ネットワークアドレスとして識別する「ネットワークアドレス部」と、そのネットワーク上のコンピューターを識別する「ホストアドレス部」に分けることができます。

 1つのサブネットは同じネットワークアドレスで構成されます。ネットワークアドレスが異なるということは、サブネットが異なるということを意味します。

図9:サブネットとサブネットマスク(IPv4の場合)
図9:サブネットとサブネットマスク(IPv4の場合)

 IPは、経路制御(ルーティング)により、データを宛先まで届ける役割を担います。その際には、各コンピューターやネットワーク機器がそれぞれ持っている「ルーティングテーブル」を活用します。ルーティングテーブルは、通信の経路が記載された経路制御表のことです。これによって、通信の宛先を判断しています。

 また、ルーティングテーブルでどのアドレスにもマッチしない場合は、「デフォルトゲートウェイ」を経路として採用します。デフォルトゲートウェイには、サブネットを中継するネットワーク機器が指定されることが多いです。

図10:ルーティングのイメージ例
図10:ルーティングのイメージ例

第2層(データリンク層)

 第2層のデータリンク層では、「MACアドレス」で宛先を判断して通信を行います。

 MACアドレスは、データリンク層でノードを識別するために使用される、世界で一意の48ビットで表される識別番号です。ネットワークを接続するための機器である「ネットワークインターフェース」に設定されています。Ethernetなどのデータリンクが使用可能な状態で提供され、追加する場合は、「ネットワークインターフェースカード」(NIC)という拡張カードを増設します。

 データリンク層のプロトコルでは、通信媒体で直接接続された機器間で通信するための仕様を定めています。データリンクには幾つかの種類がありますが、最も普及しているのが「Ethernet」です。仕組みが単純でコストを抑えることができ、互換性や将来性が高い点などが特徴です。

図11:データリンクの種類
図11:データリンクの種類

第1層(物理層)

 第一層の物理層では、通信媒体の仕様を定めてデジタルデータと電気信号の変換を行います。

 通信媒体には、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバーケーブル、無線などの種類があります。

図12:通信媒体の種類
図12:通信媒体の種類

 ここまでネットワークの用語、仕組み等の基本的な知識を紹介してきました。次回は、ネットワーク機器の種類、ネットワーク機器で使われる機能などを解説していきます。

注:本記事はインフラ基盤の構築やシステム開発を手掛けるBFTの技術研修プログラム「BFT道場」の教育資料を参考に作成しています。

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