システムインテグレーターのTISは、セブン・カードサービスが発行する電子マネー「nanaco」に関する問い合わせ業務において、TISの「DialogPlay」を活用する実証実験を実施している。TISインテックグループが5月20日に発表した。
DialogPlayは、業務用のチャットボットを作成するSaaS(Software as a Service)。「Microsoft Teams」や「Skype for Business Online」などのチャットツールに対応している。チャットボットは、ユーザーとの会話から適切な行動を推定することで、オペレーターに代わって質問に回答する。GUI (Graphical User Interface)操作でチャットボットを作成可能。
セブン・カードサービスでは、コールセンター業務のコスト最適化に当たり、定型的な回答が多い問い合わせ電話の件数削減や、それによる対応件数の増加が必要だと考えられていた。そこで同社は、元々取引があったTISのDialogPlayをコールセンターの一部業務に導入し、効果を検証することに至ったとしている。
コールセンター業務での「DialogPlay」の活用イメージ(出典:TISインテックグループ)
実証実験では、nanacoについて質問がある消費者に対し、まずチャットボットとやりとりをしてもらうことで、不要な問い合わせの削減やオペレーターによる対応の簡略化を検証する。電話、PC、スマートフォンの問い合わせ窓口がある中で、今回はPCとスマートフォンが対象。問い合わせの例としては、カードの紛失やチャージ(入金)の仕方についてなどがある。
期間は当初、2018年11月から2019年1月までの3カ月の予定だったが、チャットボットへの導線や対話シナリオの改善によって、より高い効果が見込めると判断され、2019年8月までの7カ月間になったという。延長期間中は、機能改善による使用件数や解決率の向上も検証している。
導入効果に関しては、2018年11月から2019年1月までの3カ月間で、問い合わせ件数が前年同期比で約5%削減されたという。TISは今回の結果をもとに改善を重ね、カード会社のほかさまざまな業界におけるコールセンター業務の支援や、販売促進業務への活用も行っていくとしている。