有給休暇所得義務化、8割が歓迎--サービス残業と収入減少に懸念 - (page 2)

藤代格 (編集部)

2019-05-24 07:15

 有給休暇取得義務化については、81.8%が歓迎していると回答。「有給申請の際の遠慮や気まずさが軽減」「休みが増える」といった理由が多かったという。

 母数が少なく参考値と前置きしつつ、歓迎しない理由には「業務調整が大変」「サービス残業化しそう」などが多かったという。特にマネージャー層ではサービス残業化しそう、一般層では「残業代など収入が減りそう」が多いとしている。

歓迎しない理由(出典:サイボウズ)
歓迎しない理由(出典:サイボウズ)

 取得の仕方に対する希望と現実の項目では、まとめて取得したいが、現実的には「一日、半日単位の消化」を考えている回答が多かったという。過ごし方も「泊まりがけ旅行」「日帰りレジャー」などが希望の上位にきた反面、現実は「自宅でゴロゴロ」「たまった家事、家の用事」を考える回答が多かったという。また、「仕事(持ち帰り残業)」においては、現実が希望を上回ったとしている。

過ごし方の希望と現実(出典:サイボウズ)
過ごし方の希望と現実(出典:サイボウズ)

 過ごし方の特徴として、2018年度に有給をほぼ取っていない人は「自宅でゴロゴロ」が、有給取得義務化を歓迎しない人は仕事(持ち帰り残業)が高い傾向があるという。また、「同居の末子が小学生以下」では、「たまった家事、家の用事」が高く、「自宅でゴロゴロ」が低いという。有給を取得しても子供の対応に追われるなど、自宅でゆっくりしにくい様子が伺えるとしている。また、過ごしたい相手は「自分だけ」が一番高かったという。

 調査を担当したサイボウズ チームワーク総研でアドバイザーを務める三宅雪子氏は、「これまでの有給消化率が芳しくない中、多くが取得義務化を歓迎している。一方、まとめて休暇を取りたい反面実際には単発の取得であったり、泊り旅行に行きたいが、まずは自宅で静養、家事などが現実的と捉える意識が垣間見える。義務化に伴い、休みやすい職場の雰囲気が醸成され、理想の休み方の実現に向かうことを期待したい」とコメントしている。

 25~50歳のビジネスパーソン男女400人が対象。一般層とマネージャー層200人ずつに4月13日~14日に調査した。

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