Red Hatがその象徴的なロゴ「Shadowman」を考え出したのは数十年前になる。時代は変わり、Linux企業も変わる。Red Hatの最高経営責任者(CEO)であるJim Whitehurst氏は次のようにツイートする。「26年前、@RedHatはLinuxベースのオペレーティングシステムのパッケージを持ってデータセンターに“潜入”した向こう意気の強い新興企業だった。今日では、エンタープライズハイブリッドクラウドのためのオープンソースソリューションプロバイダーとして世界をリードしている。われわれは進化してきた。企業のロゴも同様だ」
Red Hatによる今回の動きは、同社がIBMに買収されたからと考えるかもしれないが、そういうわけではない。新しいロゴが青い帽子になることは決してなかった。Red HatのオープンソースエバンジェリストであるRich Bowen氏はこのようにツイートする。「IBMによるRed Hatの買収が発表された(2018年)10月以降、カンファレンスでは次のような質問が頻繁に寄せられた。1つ目は“ロゴは青い帽子になるのか?”、2つ目は“もしくは紫色になるのか?”、3つ目は“そのナイフで何をしようとしているのか”」
Red Hatの旧ロゴ
毒のあるジョークはさておき、本当の理由は2017年の時点で明かされている。Red Hatのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高マーケティング責任者(CMO)であるTim Yeaton氏はこのように説明する。「2017年初頭の調査で、人々はShadowmanに対して“Sinister(不吉)”“Secretive(秘密主義)”“Evil(悪)”“Sneaky(コソコソしている)”というイメージを持っていることが判明した。これらの回答者はRed Hatについて何も知らなかったかもしれないが、影に潜む男というのは即座に信頼を呼び起こすものではないと判断した。この調査結果で、回答者らは、ロゴの人物は誰で、何をしているのか疑問を感じていた」
筆者はShadowmanが大好きだし、Red Hatの共同創設者であるBob Young氏とMarc Ewing氏が、Young夫人の小さな縫製部屋で創業した当時からこの業界にいる。変化の時期が来たのは明らかだ。
Red Hatの新ロゴ
そのため、Yeaton氏によると、オープンソース企業のRed Hatはおよそ20年ぶりに、「オープンにRed Hat流のやり方」で自社ロゴを刷新することを決断した。これは「Open Brand Project」と呼ばれている。
その結果について、Yeaton氏は次のように考えている。「Red Hatの進化を反映させた。つまり、Linuxベースのオペレーティングシステム(マグカップを持ってTシャツ姿だったことは言うまでもない)でデータセンターに“潜入”した向こう意気の強い新興企業から、エンタープライズハイブリッドクラウド環境のためのオープンソースソリューションプロバイダーとして世界をリードする企業へと変わった。ミッションクリティカルなソリューションを開発・実行しようと世界の大企業や代理店と共同で日々作業している人たちがいる。われわれは本当に影から抜け出したのだ」
技術的に見ても、新しいロゴはうまく機能している。Red Hatの古いロゴは、特にスマートフォンなどの小型端末において、デジタル形式でうまく描写されないことがあった。
個人的には、やはり筆者はShadowmanが好きだし、Red Hatの新しいロゴはやや単調に感じなくもないかもしれない。その一方で、Red Hatは自社がLinuxとオープンソースの優良企業であると筆者に納得させる必要はない。筆者は既にそのことを知っているからだ。ただし、手掛かりのない人たちにとっては、状況が異なる話だ。
もしLinus Torvalds氏がこの記事を読んでいるのであれば、Tux(Linuxのマスコットのペンギン)を削除しないでほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。