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「信頼性」を軸にエッジコンピューティングを展開--ストラタステクノロジーの松本社長

國谷武史 (編集部)

2019-06-10 06:00

 無停止サーバーや高可用性システムを手掛ける日本ストラタステクノロジーは、2018年秋に発売したエッジコンピューティング向け製品「ztC Edge」を皮切りに、エッジコンピューティング分野での事業展開を本格化させた。代表取締役社長の松本芳武氏は、同分野でも可用性や信頼性が重要になると語る。

 同社は38年に渡って、金融決済や交通管制、水資源管理など社会インフラにおけるシステムダウンが許されないミッションクリティカルな領域を主戦場としてきた。エッジコンピューティングへの取り組みは、この領域でも顧客企業のデジタルトラスメーションが進み出し、新たなITシステムでも可用性や信頼性が求められているためだという。

日本ストラタステクノロジー 代表取締役社長の松本芳武氏
日本ストラタステクノロジー 代表取締役社長の松本芳武氏

 松本氏によれば、2018事業年度(2019年2月期)の業績の内訳は、ミッションクリティカル領域が41%、エッジ領域(同社ではミッションクリティカル以外の領域全般)が59%だった。2019事業年度では前者が27%なのに対し、後者は73%に拡大すると予想する。「2018年に自然災害などが相次いだこともあり、社会インフラを維持するためにエッジ領域でも高可用性システムの重要性が高まっている」(松本氏)

 エッジコンピューティングとは、大まかにはデータや情報が発生する現場(エンドポイント)とデータの一元的な収集や処理を行うクラウド(データセンター)の“中間”に当たる領域を指す概念だ。その定義は立場によって異なり、IT側はクラウドの視点からデータセンターでの処理を効率化するためにその前工程としてエッジの活用を提唱する。一方で製造などの現場側は、クラウドでは間に合わないリアルタイム性が求められる処理などでエッジを活用したいと考える声が強い。

 こうした異なる要件を踏まえ、同社ではエッジコンピューティングへの取り組みにおいてミッションクリティカル領域で培った高信頼性と、ITに詳しくない現場でも導入が容易な特徴を兼ね備えたという「ztC Edge 100i」を2018年10月に発表した。「発表以降、ユーザーの事業領域に即したソリューション開発をパートナーとともに進めている」と松本氏は話す。

 一例では、製造現場における業務効率化を目的にRockwell AutomationとztC Edgeをベースにしたシンクライアントシステムを開発する。ここでは、SCADAなどの生産設備機器に備えた制御盤(ヒューマンマシンインターフェース:HMI)を仮想化し、設備担当者が手元のタブレット端末から各機器を制御できるようにする。少子高齢化などから今後は現場管理者の確保が難しくなると見られるだけに、現場業務の効率化を支援するソリューションと位置付ける。

 同様に国内のソリューション開発事例では、半導体メーカー向けの生産管理システムにおいてパートナーと、汎用サーバーがベースのシステムをztC Edgeに切り替える取り組みを進める。従来のシステムは安価に構築できるが、万一のトラブルの際にパートナーが24時間体制でサポートしなければならなかったが、ztC Edgeに切り替えることで可用性を高めることにより、システムダウンなどのリスクを低減させる。「ソリューションの開発は、ztC Edgeをシステムに組み込む『マシンビルダー』のアプローチを採り、われわれが強みとする無停止と高可用性を提供していく」(松本氏)

 2019年6月には、各種取り組みでのノウハウや新規のニーズを反映した新モデル「ztC Edge 110i」も発表。サイバーセキュリティー対策と信頼性の向上を図った。セキュリティー対策では、パートナー各社のテクノロジーを活用し、ホスト型のファイアウォールやアクセス制御、アプリケーション制御などの機能を備える。信頼性の向上では、従来モデルで監視対象とした領域(ハードウェアなど)をハイパーバイザー(KVMベース)より上の仮想OSやアプリケーションにも拡大させた。同時にこれらの領域におけるレプリケーションも可能にし、冗長性を高めた。

 「新モデルでは10GbEネットワークへの対応を図り、SSDのストレージ容量も従来の512GBから2TBに拡張している。国内ユーザーを中心にエッジで画像データなどの活用を求める声が寄せられている」(松本氏)

 エッジコンピューティングの概念に当てはまりそうな用途は非常に広いが、松本氏はやはり高い信頼性が強く求められると指摘する。「日本のコンピューターメーカー各社は10年間の稼働を保証するサーバー製品を以前から提供している。『エッジ』と呼ばれるようになっても市場ニーズとしては重要な点であることは同じ。既に日本のメーカー各社ともさまざまなソリューション開発に着手しており、今後展開を広げていく」と話している。

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