MRI、北京大学らと文章を自動作成するAI技術を共同開発

大場みのり (編集部)

2019-05-29 19:29

 三菱総合研究所(MRI)は5月27日、数表から文章を自動作成する人工知能(AI)技術を発表した。この技術により、これまで人が行ってきた財務データの分析作業と有価証券報告書の説明文の作成を自動化することができる。同技術は2019年1月に開発され現在、特許出願中だ。

 MRIは近年、人が書いた既存の文章をAIに学習させ、新たな文章を自動作成する研究が進んでいると説明する。同社は、2018年4月から北京大学、同大学が株主の天公システムと共同で、AIの主要技術の一つである深層学習技術を利用した文章の自動作成を研究してきた。MRIは北京大学と研究交流に関する協定を締結しており、今回の研究はその第1弾として実施された。

 同技術の概要は以下の通りである。

  • 人間が書いた有価証券報告書の説明文を用いて深層学習を実施
  • 財務データのみを入力し、学習済みAIによって有価証券報告書の説明文を自動作成
  • AIが作成した100例の文章において、修正が必要なのは1例につき1カ所程度であることを確認

 この技術を応用すれば、グラフなどの数表から説明文の作成が可能となり、経営企画や経理、気象予報といった幅広い分野での活用が期待される。MRIは今回の共同研究の成果を活用し、数表から大量の文章やレポートの作成が必要な企業に対して、サービスの提供を進めていくとコメントしている。

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