IDC Japanは5月29日、国内のオフィス及びホームプリンティング市場予測を発表した。2018年の支出額全体は前年比2.5%減の1兆8621億500万円。2018~2023年の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は1.9%減で推移し、2023年の支出額を1兆6893億8600万円と予測している。
支出額を“ハードウェア購入及び保守”、ページ単価契約に基づく支出や消耗費購入などを含み、プリントボリュームに基づく“ページボリューム関連”、複合機やプリンターに関連してベンダーが提供するソフトウェアやソリューション、サービスなどの“プリント関連ビジネス”の3つに分類。2018年の内訳は、ハードウェア購入及び保守が7571億4100万円で全体の40.7%。56.5%を占め、最大の構成要素となるページボリューム関連が1兆515億3300万円。プリント関連ビジネスが2.9%の534億3100万円としている。
ハードウェア購入及び保守は、2023年には1.2%減、7141億9600万円になるという。構成の最大要素となるレーザー複合機(MFP)は、オフィスにおける買い換え需要が底堅く継続。2019~2023年のCAGRを0.3%減としている。
一方、同じく主にオフィスで使用されるレーザープリンターの同CAGRを6.4%減と予測。MFPへの集約、ワークフロー電子化などが影響するという。
主に家庭で使用されるインクジェットMFPやプリンターは、出荷台数が継続的に減少。メールやSNSなどにより年賀状が、またスマートフォンの普及によりプリント機会そのものが減少しつつ、機器性能の成熟化による買い換え期間の長期化も要因になるという。同CAGRの出荷額を4.8%減としている。
2023年のページボリューム関連支出は、9196億700万円、2019~2023年のCAGRを2.6%減としている。大企業を中心とした働き方変革やワークフロー電子化、家庭内プリント量の減少などを要因に挙げている。2018~2023年のCAGRは、レーザーMFPからの減少は1.0%減に留まるものの、レーザープリンターからは3.7%減、インクジェットMFPやプリンター関連では6.5%減としている。
ハードウェア購入及び保守、ページボリューム関連の減少により、プリント関連ビジネスに多くのベンダーが注力。2018~2023年のCAGRで0.8%の成長を続け、2023年には555億8400万円の支出額となるが、全体からみた割合としては3.3%に留まるとしている。
IDC Japanでイメージング、プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーを務める石田英氏は「市場は全体では今後もゆるやかな縮小を続ける。関連ビジネスは成長基調にあるが、市場全体を牽引する規模には至っていない。ベンダーにはより高付加価値のビジネスの提供など、大胆な施策が求められる」とコメントしている。
国内オフィス/ホームプリンティング市場 支出額予測、2014~2023年(出典:IDC Japan)