予防保全のIoTとAI活用で柔軟対応に強み--NSSOLとカナダのMnuboが協業

國谷武史 (編集部)

2019-05-30 16:15

 日鉄ソリューションズ(NSSOL)とIoT/AI(人工知能)サービスを手がけるカナダのMnuboは5月30日、工場プラントなどでの予防保全強化に向けた協業に関する説明会を開催した。両社は4月24日に協業を発表、導入環境に応じたソリューション内容の柔軟性を特徴に挙げる。

 Mnuboは2012年に創業し、カナダ・モントリオールに本拠を置く。米AT&Tなど30以上の法人顧客を抱え、約1兆カ所のデータ生成場所から提供されるデータをプラットフォームに収集し、ユーザーニーズに基づくデータ解析で、洞察や知見を提供できるという。国内では、2016年にケーブルテレビ事業者のイッツコム(東京都世田谷区)が最初に導入しており、現在はジョンソンコントロールズ日立空調やヤンマーなども導入している。

Mnuboの主要顧客
Mnuboの主要顧客

 記者会見したチーフレベニューオフィサーのLyne Jacques氏は、60人以上が在籍するIoT/AIの専門家リソースや、カナダのAI研究開発機関とのパートナーエコシステムが同社の強みだと説明。深層学習技術の専門家Yoshua Bengio氏の研究機関「Mila」や、カナダの主要都市で5G(第5世代移動体通信システム)を利用するソリューション開発プロジェクトのENCCORなどと提携する。

 プロダクトとしては、IoT/AIのソリューション群やIoTに特化した解析ライブラリ群、データサイエンティスト向けのAI統合環境などを持つ。これらを用いたサービスでは、IoT活用のアドバイザリーやデータの探索支援、概念実証(PoC)の支援、データ分析環境の設計などを提供する。IoTプラットフォームをうたうサービスは、メーカーやITベンダーなども提供しているが、「多くのサービスは自前の技術や機能をユーザーに利用させるアプローチだが、われわれはユーザーに応じて(カスタマイズができるなど)柔軟に対応している点が異なる」とJacques氏は強調した。

Mnuboのプロダクト
Mnuboのプロダクト

 NSSOLは、プラント向けに現場作業の改善や効率化、安全強化を支援する「IoXソリューション」事業を展開する。Mnuboとは2017年から協業の検討やPoCを進めており、IoTやAIを利用して予防保全を目指す案件での個別対応のしやすさなどが協業の決め手になったとした。「特に分析対象とするデータの準備が重要で、適用環境はそれぞれ異なる。こうしたところでMnuboのプロフェッショナルサービスの活用を期待している」(IoXソリューション事業推進部 事業推進長の東條晃己氏)

協業におけるNSソリューションズの方針
協業におけるNSソリューションズの方針

 同社は今後1年間で、5~10のプロジェクト案件にMnuboのソリューションを適用したいとしている。

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