日立製作所は5月29日、同社のグループ会社で鉄道システム事業を手掛ける日立レールSTSが、イタリア北部・トレントの公共交通機関における新たなデジタルチケッティングソリューションの実証実験を開始すると発表した。
同実証は、イタリアのTrentino Trasportiとの合意に基づくもので、トレントを走るTrento-Male-Mezzana鉄道とバスが対象となる。
デジタルチケッティングソリューションは、スマートフォンをチケットとして活用するもので、キャッシュレスで運賃を徴収する仕組み。鉄道車両やバスなどの車体のほか、駅やバス停などに通信端末を設置し、乗客がスマートフォンにインストールしたアプリケーションを経由して位置情報のやりとりを行うことで、乗客がどの公共交通機関を利用したかを把握して、自動で運賃を算出する。
同ソリューションにより、乗客は紙のチケットやICカードなどを使用する必要がなくなり、シームレスでより快適な移動が可能になる。また、公共交通機関の事業者は券売機や改札機といった設備を減らすことで、設備への投資やメンテナンスコストを削減することもできる。
日立レールSTSでは、デジタルチケッティングソリューションがTrentino Trasportiに承認され、正式な認可を受け次第、同ソリューションを正式展開し、チケット売上の一部を受け取るレベニューシェア型のビジネスを展開する予定だ。