アクセンチュア、AI導入で仕事を奪われた従業員を配置転換する取り組み

Asha Barbaschow (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-06-04 10:11

 人工知能(AI)を利用するさまざまなテクノロジーが人とテクノロジーの関係を一変させる、とAccentureは考えている。「AIの未来は、破壊的革新と生産性の新時代を約束する。その新時代には、人間の創意工夫が速度と精度によって強化される」というのが同社の公式見解だ。

 AIが人間に取って代わるのではないかという懸念が広まっていることもあり、Accentureのマネージングディレクター、アジア太平洋地域(APAC)担当アナリティクスデリバリーリード、AIデリバリーリーダーであるAmit Bansal氏は、多くの人が主張するような深刻な雇用の喪失を引き起こさないために、同社が取り組んでいるいくつかのイニシアチブを詳しく説明した。

 Bansal氏は先週、シドニーで開催された米ZDNetの「Next Big Thing」イベントで、「当社には、世界中に45万人の従業員がいる。非常に人材集約的な組織だ。クライアントからの要望を受けて、われわれは自社の事業にAIを活用している」と述べた。

 Accentureのインドでの事業は、クレジットカードおよび住宅ローン申請処理の大部分を担当している。

 「われわれは、さまざまなAIテクノロジーやコンピュータービジョン、バーチャルエージェントなどを活用して、そのプロセスを自動化した」(同氏)

 Bansal氏によると、AIを自動化という形でこれらのタスクに適用することで、職員が新しい技能を身につけるという嬉しい副作用も生じたという。

 「当社には、(そのタスクを担当する)職員が11万人いる。彼らの業務の自動化により、1万7000人の職員が不要になった」(同氏)

 「しかし、われわれは実際にはそれら1万7000人の職員を再訓練した。それにより、当社の生産能力が高まるからだ。新たに多数の人材を雇用する必要はなかった。これらの自動化プロセスにより、会社の規模が拡大した」

 Bensal氏は、同社が米国のVerizonと共同で取り組んだ別の社内のAIイニシアチブにも言及した。

 「チャットボットでうまく対応できるようになると実際に(問い合わせの)量が増え、顧客満足度が上がる。このシナリオでやったのは電話を受けている人にAIについて学んでもらい、チャットボットが質問に答えられない時には人に引き継いでもらうということだ。こうして人間同士で話して問題を解決している」と彼は説明した。

 「仕事のあり方が変わっているのであって、仕事を失っているわけではない。再訓練への大きなシフトが起きている」

 Bansal氏は、AIを検討している企業へのアドバイスとして、いかなる取り組みも問題解決の観点からアプローチする必要があると述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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