IoTが生み出すビッグデータの解析にAIを活用する ――。これが今、最先端の取り組みだが、ここで求められるAIは、「人工知能: Artificial Intelligence」でなく「実用的なインサイト(洞察):Actionable Insights」ではないか。今回はそんなAIの意味について一言申し上げたい。
「AI+IoT」を打ち出した製品・サービスを展開
IoTが生み出すビッグデータの解析に活用するAIは、「人工知能」でなく「実用的なインサイト(洞察)」――。カナダのモントリオールに本拠を置くIoT/AIサービスプロバイダーのMnubo(ヌーボ)はこう主張する。
筆者がこの話を聞いたのは、Mnuboが日本の大手システムインテグレーターである日鉄ソリューションズ(NSSOL)と工場プラントなどでの予防保全強化に向けて協業し、東京・赤坂のカナダ大使館で先頃、その内容について記者説明会を行ったときのことだ。

記者説明会の様子。中央左がMnuboチーフレベニューオフィサーのJacques Lyne氏、中央右が日鉄ソリューションズIoXソリューション事業推進部 事業推進長の東條晃己氏
両社のソリューションや協業内容については関連記事をご覧いただくとして、本稿ではMnuboが主張する「人工知能ではないAI」に注目したい。
まずは、その根拠となるMnuboの製品とサービスについて少し紹介しておこう。製品は図1のように、ユースケースに基づいたAI+IoTソリューション「AIoT Solutions」、解析ツール一式とAI+IoTに特化したライブラリー「AIoT Analytic Libraries」、データサイエンティストのためのAI統合環境「AIoT Studio」、コネクテッドデバイス向けAPIベースのフルスタックなデータ解析プラットフォーム「AIoT Analytics Platform」の4つからなる。

図1:Mnuboの製品ラインナップ
これらの製品によってMnuboが提供するサービスについては図2のように、IoTによるデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略とロードマップの定義を行う「IoT Advisory」、期待効果に影響を与える価値の高いインサイトの発見を支援する「Data Exploration」、堅牢でスケーラブルなエンドツーエンドのIoTデータソリューションアーキテクチャーの定義を行う「Solution Design」、1つかそれ以上のユースケースを検証して実現可能性を評価する「Proof of Concept(PoC)」、エンドツーエンドでのデータソリューションの展開とフィードバックループを行う「Deployment & Management」、Mnuboの解析ライブラリから必要な情報を抽出する「Education」の6つからなる。

図2:Mnuboが提供するサービス