ドキュメント指向型検索エンジン「Elasticsearch」の開発元であるElasticは米国時間6月6日、エンドポイントセキュリティを手がけるEndgameを2億3400万ドル(約254億円)で買収する契約を締結したと発表した。Endgameの製品は、エンドポイントにおけるセキュリティ侵害の予防や検出、対応を目的として企業や政府機関に使用されている。Elasticsearchは、構造化/非構造化データを対象とする検索エンジンだ。この検索エンジンは主に、ログの解析や、全文検索、ビジネスアナリティクスに用いられている。
Elasticは同社の検索技術とEndgameのエンドポイント製品を組み合わせ、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)市場とエンドポイント市場をまとめることで、セキュリティチームのコラボレーションを支援していく計画だ。
Endgameの最高経営責任者(CEO)Nate Fick氏は、「Elasticと力を合わせることで、われわれのエンドポイントプラットフォームは次なる段階に入り、ElasticにおけるSIEMの取り組みと統合される結果、世界中のユーザーに対して完璧なセキュリティソリューションを提供できるようになるだろう」と述べた。
Elasticの共同創業者であり、CEOを務めるShay Banon氏は同社ブログへの投稿で、Endgameがセキュリティデータの重要な源にもなると記すとともに、Elasticはさらに多くのセキュリティ指向データを収集するための能力拡張に取り組んできていると記している。
「Endgameのエンドポイント製品によって、こうした取り組みはまったく新たな段階に入ることになる。同社の製品にはセキュリティデータの豊富な収集機能が組み込まれている。このデータは、Elasticsearchのような強力な検索エンジン内に格納される宝石のようなものだ。『Kibana』のリアルタイム可視化機能を用いることで、セキュリティに携わるユーザーは、自らの組織を攻撃から守るうえで役立つ、まったく新しいレベルの分析機能にアクセスできるようになる」(Banon氏)
Banon氏によると、エンドポイントにおける保護機能は将来的に、Elasticの製品群で標準装備になるという。同社は既に一部の統合作業を開始しており、Endgameにおいて既にバンドルされているElasticsearch配備上でのElasticのKibana可視化製品の公開を検討してもいる。同氏は、買収が完了した暁には、ネイティブなかたちで統合した、さらに多くの製品をリリースすると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。