IDC Japanは、国内エンタープライズIT市場予測を発表した。これによると、2018年の国内エンタープライズIT市場規模は前年比4.2%増の10兆1441億円となった。また、2018~2023年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.4%で推移し、2023年の市場規模は11兆9983億円になると予測される。
国内エンタープライズIT市場クラウド関連 売上額予測、2018年〜2023年
同市場では、クラウドファースト戦略を実行するユーザー企業が増加しており、パブリッククラウドやホステッドプライベートクラウドを提供するために、サービスプロバイダーによる積極的な投資が継続している。IDCは、これらのことから、同市場に占めるクラウド関連の売上額割合は、20.2%(2018年)から54.4%(2023年)になると予測している。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に対する関心は高まっているが、現在の市場規模は限定的で、その多くがデジタルサービス(主に一般消費者向けWウェブ/モバイルサービス)を提供するネット系企業の投資や、これらのIT基盤を提供するサービスプロバイダーの投資となっている。
一方、企業におけるデータ駆動型ビジネスを実現するための投資は堅調に増加しており、今後、企業の「データ駆動型ビジネス/DX」に対する投資は、急速に拡大し、国内エンタープライズIT市場の成長を促進する重要な要因になるとIDCでは見ている。
また同市場では、ハイブリッド/マルチクラウド時代を迎え、ベンダー間の提携および競合環境は変化しているとし、ベンダーがユーザー企業のDX支援を競争力として強化するためには、ソリューションの提供ではなく、ビジョンの共有とコミットメント、クラウドネイティブにおけるエコシステムの強化、サブスクリプションビジネスへの対応が重要であるとした。