現行世代の「Microsoft Power BI」が市場に投入されてから4年近くがたつなか、Microsoftは米国時間6月9日、ジョージア州アトランタでの「Microsoft Business Applications Summit」開催というタイミングで、Power BIのアップデートを発表した。これには、ユーザーインターフェース(UI)の刷新のほか、新たなレポート機能や、データキュレーション機能の追加が含まれている。また、一連の新たな人工知能(AI)機能や、自然言語によるクエリを可能にする「Power BI Q&A」機能の強化も、今回のリリースには含まれていないものの、近々利用可能になる予定だという。
提供:Microsoft
MicrosoftのPower BIエンジニアリング担当ゼネラルマネージャーであるArun Ulagaratchagan氏は米ZDNetとの電話で、「Power BI Desktop」の6月のアップデートとして9日に利用可能になった新UIによって、Power BIの見た目や動作が「Microsoft Office」アプリケーションのようになったと述べた。この変更には、Office製品で採用されているようなリボンインターフェースや、オブジェクトのグループ化機能が含まれており、Power BIに慣れていないユーザーでも同製品を違和感なく使えるとともに、使い慣れたUIメタファーの利点を享受できるようになっている。UIのこういった変更は、ウェブブラウザーをベースにしたPower BIのクラウドサービスにも適用される。
またパワーユーザーは、自らのデータセットを共有するとともに、再利用を促すことで、コラボレーションアナリティクス時代におけるPower BIの活用を推進できるようになる。さらに、より厳格な統制を目指している企業は、特定の権限を有したユーザーによるデータセットの「認証」機能を利用することもできる。
同社は他にも、「Power BI Premium」ユーザー向けとして複数の機能の一般提供を開始した。これには、数カ月前からプレビュー段階に入っていた「ページ分割されたレポート」の統合や、2018年11月にプレビュー段階に入っていた、「Azure Cognitive Services」(テキストと画像の認識サービス)と「Azure Machine Learning」(インポートされたカスタムモデル)に基づくAI機能が含まれている。
Power BIの今後のリリースでは、Azure Cognitive Servicesの能力を活用したエンティティおよびテキスト/手書き文字の認識サービスの提供が予定されている。また、Power BIにおいては、Azure Machine Learningに組み込まれ、そこから共有されたモデルの消費が可能になったが、将来的にはその逆も可能になる。つまり、Power BIに組み込まれているAutoMLベースのモデルをAzure Machine Learningにエクスポートし、データ科学者によるさらなるカスタマイズの後、共有機能によってPower BIに戻すことが可能になる。
さらに近い将来、自然言語によるクエリを可能にするPower BI Q&Aの能力も強化されるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。