本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、サイトコアが提供するウェブコンテンツ管理(WCM)ソフトウェア「Sitecore Experience Platform(Sitecore XP)」と、デジタル資産管理(DAM)のSaaS型サービス「Sitecore Content Hub」を取り上げる。
デジタル資産管理のSaaS型サービスを提供開始
「当社の製品群で、お客さまが最高レベルのカスタマーエクスペリエンスを提供できるデジタルマーケティングを展開できるようにご支援していきたい」
デジタルマーケティング関連ツールを手掛けるデンマークのSitecoreの日本法人であるサイトコアの酒井秀樹代表取締役は、同社が先頃開いた新製品の発表会見でこう力を込めた。
同社が発表した新製品は、マーケティングに関連するさまざまなコンテンツの生成や、その際の作業フローおよび承認プロセスの管理、そのコンテンツのライフサイクル管理、さらに著作権管理も行えるようにしたデジタル資産管理(DAM)のSaaS型サービス「Sitecore Content Hub」である。(図1)
図1:デジタル資産管理(DAM)の概要
このSitecore Content Hubは、Sitecoreが2018年11月に買収したベルギーのソフトウェアベンダーStylelabs(スタイルラブス)社が手掛けていたDAM製品をSitecoreブランドとしてこのほど提供開始したものである。
SitecoreがDAM製品を新たに提供することにした理由は大きく2つある。
1つは、マーケティング分野において“個客”の趣味趣向や関心に合わせたデジタル体験を演出する「パーソナライズ」化の重要性が高まってきたからだ。パーソナライズ化に対応するため、企業のマーケティング部門は多くの時間と手間をかけてコンテンツを作成し、ウェブサイトをはじめ多種多様な顧客との接点(タッチポイント)にそれを配信してカスタマーエクスペリエンスを高めようと悪戦苦闘しているのが実情だ。Sitecore Content Hubはその作業を支援するものである。