ウェブコンテンツ管理との組み合わせで相乗効果へ
会見に臨むサイトコアの酒井秀樹代表取締役
もう1つは、Sitecoreがかねて主力製品として提供してきたウェブコンテンツ管理(WCM)ソフトウェア「Sitecore Experience Platform(Sitecore XP)」と組み合わせれば、冒頭の酒井氏の発言にあるように「お客さまが最高レベルのカスタマーエクスペリエンスを提供できるデジタルマーケティングを展開できるようになる」からだ。
Sitecore XPは多様なコンテンツ管理機能やマーケティング機能が一元化された拡張性の高いWCMである。他のCRM(顧客情報管理)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールとも容易に連携させて使用することが可能だ。
ウェブサイト訪問者の属性やサイト上での行動パターンに合わせてコンテンツを表示するパーソナライズ機能に加え、ユーザー企業の社内システムに散在するさまざまな顧客関連データや、連携させたSNSなどの外部システムから得られる情報を収集、分析し、訪問者に最適なアプローチを自動的に行う機能など、デジタルマーケティングに必要なさまざまな機能を備えている。
Sitecore XPでは、さまざまなコンテンツを管理しながら、顧客の興味・関心や行動履歴から得られるコンテクスト(文脈や背景)情報を利用し、それに合わせた最適なコミュニケーションを自動化する。企業のマーケティング担当者は、顧客がどのように自社ブランドと接触しているかに関するコンテクストを把握、理解した上で、それに基づいたコンテンツを、すべてのチャネルを通じてリアルタイムに提供できるとしている。
ちなみに、Gartnerが毎年公表しているWCMソフトウェア分野のマジッククアドラントにおいて、Sitecoreは2018年まで9年連続で「リーダー」として最高位をキープしており、この分野のリーディングカンパニーとして評価されている。
筆者の印象では、Sitecore XPの魅力を最大限に表現すると、AppleやAmazon.comが提供している究極のカスタマーエクスペリエンスに匹敵するデジタルマーケティングのソリューションだと見ている。エクスペリエンスは「体験」と訳されるが、そこに「感動」が伴うかどうかが勘所だ。今回のDAM機能の強化で、感動に直結するコンテンツ作りのパワーが増した形となる。ぜひとも今回の“組み合わせ技”の成功事例を見てみたい。