日立製作所は6月13日、特許情報提供サービス「Shareresearch」において、人工知能(AI)を活用して、知的財産部門の業務効率化を実現する新機能の提供を開始すると発表した。
新機能は、特許公報内に記載される課題の抽出作業や特許技術の分類を自動化するほか、他社技術の出願動向を簡易な操作でマップ形式に可視化することができる。
同機能を利用することで、特許情報から自社の強み・弱みや他社動向を把握し、将来の事業環境を迅速に分析することができる。また、特許情報の読解や抽出にかかる時間を短縮し、特許業務の熟練度に関わらず分析作業の効率化を図ることが可能になる。
新機能の主な特徴は、「AI読解支援機能により特許の内容把握を効率化させる」「自動分類付与機能により膨大な特許情報を高精度に分類する」「技術マップ機能で特許出願技術の動向を可視化する」という3つに大別される。
特許の内容把握では、知的財産部門などが人手で読解していた抽出作業を、AIと日立の文書解析技術のノウハウを適用することで、対象箇所を高精度に自動化させる。
特許情報の分類では、独自に設定したコード(社内分類)を人手で付与していた分類作業に対し、AIと独自のノウハウを活用し、コードを自動的に付与し、高精度な特許分類を可能にする。この機能は、SDI機能で通知された特許公報においても利用できる。
特許出願技術動向の可視化では、シェアリサーチで検索して得られた特許情報から、各特許出願技術の動向を、複雑な操作なく簡単にマップ形式に可視化できる。AIと独自のノウハウによって高精度に特許公報を読解・分析し、各特許がどのような技術・キーワードで成り立っているかをマップとして可視化、類似の特許はマップ上に近く配置するなど、他社の出願傾向を視覚的に把握し、分析できるようにする。
シェアリサーチの利用価格は、税込で月額30万円から。新機能の価格は個別見積もり。