IBM、KPMG、Merck、Walmartの4社は、米食品医薬品局(FDA)と提携し、ブロックチェーンネットワークの概念実証に取り組んでいる。このパイロットプログラムは、米国医薬品サプライチェーンセキュリティー法(DSCSA)に関連しており、医薬品サプライチェーンに関与するFDAやその他の組織が、流通する処方薬を特定、追跡できるブロックチェーンネットワークを開発できるよう支援するのが狙いだ。
企業は、この提案されているブロックチェーンネットワークにより、現在のサプライチェーンが抱える課題に対処し、在庫を追跡する時間の短縮、供給ネットワークの企業間で共有されるデータ精度の向上、流通する製品の健全性管理などに役立てたい考えだ。
IBMのヘルスケア&ライフサイエンス分野ブロックチェーン部門のグローバルソリューションリーダーを務めるMark Treshock氏は、次のように述べている。「ブロックチェーンは、バイオ医薬品のサプライチェーンの信頼性をさらに高める上で、新しい重要なアプローチをもたらすだろう。ブロックチェーン技術が理想的なのは、サプライチェーン内の医薬品を追跡できる監査証跡を提供するだけでなく、データを共有した当事者を、データ内容を公開することなく追跡できるからだ。ブロックチェーンは、医薬品のライフサイクルを通じて、そのデータを制御、管理、共有し、対応する方法を変革できる可能性がある」
WalmartとIBMは2016年以来、ブロックチェーン技術に基づいた新しい水準のトレーサビリティーを食品サプライチェーン全体に適用するために取り組んでいる。またMaerskとIBMも2016年6月より協業しており、2018年にブロックチェーン技術を活用した国際貿易プラットフォーム「TradeLens」を発表した。
IBMは、物流、食品、銀行、ハードドライブなど、さまざまなサプライチェーンでブロックチェーン技術を適用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。