Amazon Web Services(AWS)とVMwareが共同で事業展開しているサービス「VMware Cloud on AWS」(以下、VMC on AWS)は、ユーザーに何をもたらすのか。同サービスにおけるAWSの事業責任者であるRima Olinger氏が来日したのを機に話を聞いた。
VMware Cloud on AWSの最新動向
写真1:筆者の取材に応じるAWSのVMware Cloud on AWS事業責任者(Global Alliance Lead)であるRima Olinger氏
「VMC on AWSは素晴らしい勢いで世界中のお客さまに受け入れられている。しかも企業規模にかかわらず、幅広い業種のお客さまに利用していただいている。私自身も非常にワクワクしながら世界中を駆け巡っている」
Olinger氏に、VMC on AWSに対するユーザーの反響はどうか、と聞いたところ、満面の笑顔でこんなコメントが返ってきた(写真1)。
今回は注目度の高いサービスであるVMC on AWSについて、AWSの事業責任者であるOlinger氏に取材する機会を得たので、このサービスがユーザーにもたらすインパクトについて話を聞いてみた。
VMC on AWSは、AWSクラウドのベアメタル上でVMware環境を実現し、ハイブリッドクラウドの構築および運用を容易にするサービスである。両社は、2016年10月にこのサービスを開発することで戦略的提携を発表。2017年8月からAWSの米国西部のリージョン(データセンター群)を皮切りにサービスの提供を開始した(図1)。
図1:VMware Cloud on AWSのアーキテクチャ(出典:6月12〜14日に千葉・幕張メッセで開催された「AWS Summit Tokyo 2019」の展示会場にて筆者撮影)
Olinger氏によると、現在は世界の14リージョンで展開しており、その中の1つとして2018年11月に東京リージョンでもサービスの提供が始まった。さらに2020年末までには、AWSの全世界21リージョンで展開する予定だ。
ちなみに、Olinger氏はおよそ3年前にVMwareからAWSに移り、このサービスプロジェクトに当初から携わってきたキーパーソンである。取材の最初に「VMC on AWSのことなら何でも聞いてください」と語ったのが印象的だった。
そんなOlinger氏にまず、VMC on AWSにおいて多く見られるユースケースはどのようなものか、聞いてみた。同氏は、「クラウドへの移行」「データセンターの拡張」「ディザスタリカバリ」「アプリケーションのモダナイゼーション」の4つを挙げた。このうち上位3つの内容については、下の図2を参照していただきたい。
図2:VMware Cloud on AWSのユースケース(出典:「AWS Summit Tokyo 2019」の基調講演にて筆者撮影)