IBM、「Watson OpenScale」にバイアス監視推奨機能を搭載

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-06-21 11:09

 IBMは米国時間6月17日、「Watson OpenScale」に、人工知能(AI)モデルや機械学習(ML)モデルのバイアス監視推奨機能を追加したと同社ブログで発表した。

 こういったバイアス監視推奨機能によって、性別や人種、配偶者の有無、年齢といった属性が自動的に洗い出され、バイアスの有無を監視する必要があると勧められるようになる。同社は、これら属性を事前に洗い出しておくことで、監視対象の属性を手作業で選択する手間をなくそうとしている。

 Watson OpenScaleの同機能によって推奨された内容は、設定パネルから変更することもできる。

 IBMは、「IBM Watson」関連の製品スイートを複数のクラウド上で稼働できるようにしてきているとともに、企業におけるデータプレパレーションを容易にし、アルゴリズムのスケーラビリティーを向上させている。バイアスはアルゴリズムの規模が拡大するにつれ、企業にとって重要な問題となってきている。また、個々のモデルにはバイアスが含まれていないものの、アルゴリズムを組み合わせることでバイアスの問題が引き起こされる場合もある。

 IBMは、買収したPromontory Financial Groupと連携し、属性の一覧を増やすことで、規制面での取り組みを進めている。つまりIBMは、将来的な規制の強化に先がけてアルゴリズム面でのバイアスに対し先手を打とうとしている。IBMをはじめとする企業は、AIのガバナンスや雇用への影響、透明性、バイアスの問題に取り組んでいる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]