IBMは米国時間6月17日、「Watson OpenScale」に、人工知能(AI)モデルや機械学習(ML)モデルのバイアス監視推奨機能を追加したと同社ブログで発表した。
こういったバイアス監視推奨機能によって、性別や人種、配偶者の有無、年齢といった属性が自動的に洗い出され、バイアスの有無を監視する必要があると勧められるようになる。同社は、これら属性を事前に洗い出しておくことで、監視対象の属性を手作業で選択する手間をなくそうとしている。
Watson OpenScaleの同機能によって推奨された内容は、設定パネルから変更することもできる。
IBMは、「IBM Watson」関連の製品スイートを複数のクラウド上で稼働できるようにしてきているとともに、企業におけるデータプレパレーションを容易にし、アルゴリズムのスケーラビリティーを向上させている。バイアスはアルゴリズムの規模が拡大するにつれ、企業にとって重要な問題となってきている。また、個々のモデルにはバイアスが含まれていないものの、アルゴリズムを組み合わせることでバイアスの問題が引き起こされる場合もある。
IBMは、買収したPromontory Financial Groupと連携し、属性の一覧を増やすことで、規制面での取り組みを進めている。つまりIBMは、将来的な規制の強化に先がけてアルゴリズム面でのバイアスに対し先手を打とうとしている。IBMをはじめとする企業は、AIのガバナンスや雇用への影響、透明性、バイアスの問題に取り組んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。