3.「TUNAG」--社内制度を活用して“エンゲージメント”向上
スタメン(名古屋市中村区)が紹介していたのは、コンサルティングサービス「TUNAG」。会社と従業員、従業員間などの信頼関係である“エンゲージメント”向上を目的にしたSaaSという。
プロフィールやチャットのような、一般的なSNSにある機能を搭載しつつ、エンゲージメントを向上させるための各社それぞれにある「社内制度」を活用する点が大きな特徴。日報や週報、社内報などの報告業務、出張や経費、休暇などの各種申請業務、はたまた補助金や優待の使用など、社内に存在する様々な決まりとその活用情報をTUNAG上に収集、データ化するという。
スタメンのコンサルタントが、ユーザー企業それぞれの制度をSaaS上に反映。収集データを活用できるよう各社それぞれのTUNAGを構築、カスタマイズしていくという。使った人や使われた制度の情報が共有、可視化でき、制度のさらなる利用や社員同士の会話などのエンゲージメント向上のきっかけにできると説明。

TUNAGでのエンゲージメント向上サイクル
スタメンで執行役員 カスタマーサクセス部長を務める森山裕平氏は「エンゲージメントの向上を図るサービスの多くは、社員を診断する形式を採用している。様々な気持ちがノイズとして入る可能性や、診断時と結果が出る時期のタイムラグもある。正しく図れないことが多い」と指摘する。
また、結果をもとに何かしらのアクションを起こす際も、うまくいかないことが多いと続ける。「何かしらの改善案を実行する場合、その管理は所属長に任されることが多い。商談などの“本業”と天秤にかけざるを得ない場合、後者を選択せざるを得ない」(森山氏)。会社として決定した改善案も実行段階では組織単位になることが多く、管理を任される組織長が後回しにせざるを得ない可能性が高いと説明する。
スタメン自身もTUNAGを活用しているという。例えば出張する場合、経費の精算には導入している別のシステムを使用し、報告でTUNAGを活用。出張での気づきなどを共有し、エンゲージメントの向上に役立てていると自社事例を説明する。「活性化を任される部署は実際の部門に任されることが多く、発言力も強いため、日本企業の人事部門は孤独になることが多い。そういった方々を支援していきたい」(森山氏)

TUNAGで可視化する「社内制度」例
4.「jinjer」--人事データを集約して可視化、4年で8000社導入
ネオキャリア(新宿区)ブースでは、人事業務向けSaaS「jinjer」を紹介。管理が別れがちな人事の全情報を集約できるという。結合、集積したデータをもとに、ブラックボックス化された人事データを可視化。業務効率化に活用できるという。
人事、勤怠、労務、マイナンバー、経費、コンディションという6つの人事業務システムと合わせて、「1Master 1DB」を掲げる管理プラットフォームを用意。CSVのアップロード、ダウンロード機能も保有。プラットフォームへのデータ集約に活用できる。

4年で8000社導入
4年前にローンチしてから、2018年10月に導入社数8000社を達成したという。ネオキャリアの経営企画本部で部長を務める坂口友紀氏は「認知が向上してきたことに加え、常に機能改善していることが背景にある」と要因を分析する。派遣や紹介、求人メディアの運営など、ネオキャリアの人材サービス関連業務での19年間の実績、ノウハウが生きていると説明する。
1人あたり税別月額料金300円で、管理プラットフォームと1つのSaaSが利用できる。3つ利用する場合は1人あたり600円、全部利用する場合は1000円。